Noriyuki Hirata
[東京 9日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比189円73銭高の3万8392円10銭と反発した。米国株がまちまちで全体の方向感を決めるほどの材料に欠ける中、前日の下落からの自律反発を期待した買いが入った。決算などを手掛かりにした個別物色が引き続き活発だった。
日経平均は40円高で寄り付き、一時マイナスに沈む場面もあったが、自律反発期待の買いが優勢となり短時間で切り返した。その後は小高い水準でのもみ合いが続いた。一時193円高の3万8395円93銭に上昇した。
個別物色は活発。前日に決算や自社株買いを発表したオリックスが年初来高値を更新し、その他金融は、セクター別の上昇率トップだった。市場では「来週前半辺りまでは個別の決算プレーが目立ちそうだ。指数はしばらく保ち合いではないか」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャー)との見方が聞かれた。
国内金利が上昇する中、保険や銀行はしっかり。日銀が4月25―26日に開いた金融政策決定会合で、円安によって基調的な物価上昇の上振れが続けば「正常化のペースが速まる可能性は十分にある」との意見が出ていたことが、朝方に公表された「主な意見」で分かった。
3月の毎月勤労統計(速報)によると実質賃金は前年比2.5%減少し、24カ月連続の前年割れとなったが、相場への影響は限定的とみられる。
TOPIXは0.76%高の2727.05ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は2兆2378億4800万円だった。東証33業種では、値上がりはその他金融やその他製品、金属製品など31業種で、値下がりは電気・ガスと証券の2業種だった。
前日に決算を発表したオムロンやIHIが大幅高。ヤマハは年初来高値を更新した。一方、減益見通しが嫌気されたロームは急落し、年初来安値を更新した。ソフトバンクグループは軟調。傘下の英半導体設計大手アーム・ホールディングス株が決算発表後の時間外取引で大幅安となったことに連れ安となった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1227銘柄(74%)、値下がりは369銘柄(22%)、変わらずは55銘柄(3%)だった。