*16:04JST 泉州電業 Research Memo(4):2024年10月期第2四半期は増収、営業増益。
手元の現預金は288億円と潤沢 ■業績動向
1. 2024年10月期第2四半期の連結業績
(1) 損益状況
泉州電業 (TYO:9824)の2024年10月期第2四半期の連結業績は、売上高66,125百万円(前年同期比6.9%増)、営業利益5,104百万円(同18.6%増)、経常利益5,327百万円(同18.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益3,674百万円(同22.7%増)となり、売上高・利益とも過去最高を更新した。
平均銅価格は、1,322千円/t(同8.1%増)であった。
売上総利益率は15.8%と前年同期の15.2%から0.6ポイント上昇した。
これは、銅価格の上昇や比較的利益率の高い製品の構成比率が上がったことに加えて、電力用ケーブルで需給がひっ迫して粗利率がアップしたことなどによる。
販管費は、人件費や荷造輸送費等の上昇から前年同期比5.3%増となったが、予算の範囲内であった。
この結果、営業利益は同18.6%の増益となり過去最高を更新した。
(2) 財務状況
2024年10月期第2四半期末の資産合計は、前期末比4,456百万円増の105,823百万円となった。
流動資産は同2,470百万円増の73,301百万円となった。
これは主に現金及び預金の増加294百万円、受取手形及び売掛金(電子記録債権を含む)の増加1,376百万円、商品の増加739百万円などによる。
固定資産は同1,985百万円増の32,522百万円となったが、主に有形固定資産の増加1,143百万円、無形固定資産の減少(主にのれん)33百万円、投資その他の資産の増加875百万円などによる。
投資その他の資産の増加は、主に投資有価証券の増加979百万円による。
負債合計は前期末比1,809百万円増の52,462百万円となった。
流動負債は同1,850百万円増の49,563百万円となったが、これは主に支払手形及び買掛金の増加1,605百万円、未払法人税等の増加224百万円などによる。
固定負債は同40百万円減の2,899百万円となったが、主に長期借入金の減少54百万円、退職給付に係る負債の増加63百万円などによる。
純資産合計は、主に当期純利益の計上による利益剰余金の増加2,612百万円などにより、同2,646百万円増の53,361百万円となった。
2. 2024年10月期第2四半期の商品別概況(単体ベース)
商品別の状況(単体ベース)は以下のとおり。
(1) 機器用・通信用電線
取扱商品の中では比較的付加価値が高く、銅価格の変動の影響が少ない商品である。
売上高は21,847百万円(前年同期比11.2%増)となり、売上構成比も34.8%(前年同期は33.6%)へ上昇した。
半導体製造装置関連や工作機械向けが停滞したが、自動車関連向けなどが好調に推移した。
(2) 電力用ケーブル
主に建設用(ビル、工場、病院及び学校等の大型施設など)に使われる電線であるが、競争も激しく利益率は低い。
売上高は22,891百万円(前年同期比9.6%増)となった。
住宅関連はやや低調だったが、建設関連が堅調に推移したことや、銅価格の上昇に伴う価格改定が追いついてきたことも増収に寄与した。
さらに全体的に市場で品薄感が出て需給がひっ迫し、粗利率が改善した。
(3) 汎用被覆線
主に電力用より細い電線で、住宅などに用いられる。
電力用ケーブルと同様、建設用を中心に回復傾向が見られ、売上高は6,439百万円(同14.1%増)となった。
(4) その他電線
主に中小メーカー向けの銅裸線の販売であるため、販売価格はほぼ銅価格にスライドする。
売上高は3,140百万円(同0.1%増)となったが、平均銅価格が8.1%上昇しているため、数量ベースでは低下した。
(5) 非電線
電線以外の商品が含まれる。
各種の加工品、付属品、周辺機器などで、主要製品はソーラー関連の部品及び加工品※とワイヤーハーネス関連だが、銅価格の影響は比較的小さく相対的に利益率の高い部門である。
半導体関連向けや工作機械向けが上半期の後半(第2四半期会計期間)にスローダウンしたことなどから売上高は8,461百万円(同6.6%減)となった。
※ソーラー関連は、ケーブルだけの場合は「電力用ケーブル」に、コネクター及び加工品が付いた場合は「非電線」に区分けされている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
手元の現預金は288億円と潤沢 ■業績動向
1. 2024年10月期第2四半期の連結業績
(1) 損益状況
泉州電業 (TYO:9824)の2024年10月期第2四半期の連結業績は、売上高66,125百万円(前年同期比6.9%増)、営業利益5,104百万円(同18.6%増)、経常利益5,327百万円(同18.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益3,674百万円(同22.7%増)となり、売上高・利益とも過去最高を更新した。
平均銅価格は、1,322千円/t(同8.1%増)であった。
売上総利益率は15.8%と前年同期の15.2%から0.6ポイント上昇した。
これは、銅価格の上昇や比較的利益率の高い製品の構成比率が上がったことに加えて、電力用ケーブルで需給がひっ迫して粗利率がアップしたことなどによる。
販管費は、人件費や荷造輸送費等の上昇から前年同期比5.3%増となったが、予算の範囲内であった。
この結果、営業利益は同18.6%の増益となり過去最高を更新した。
(2) 財務状況
2024年10月期第2四半期末の資産合計は、前期末比4,456百万円増の105,823百万円となった。
流動資産は同2,470百万円増の73,301百万円となった。
これは主に現金及び預金の増加294百万円、受取手形及び売掛金(電子記録債権を含む)の増加1,376百万円、商品の増加739百万円などによる。
固定資産は同1,985百万円増の32,522百万円となったが、主に有形固定資産の増加1,143百万円、無形固定資産の減少(主にのれん)33百万円、投資その他の資産の増加875百万円などによる。
投資その他の資産の増加は、主に投資有価証券の増加979百万円による。
負債合計は前期末比1,809百万円増の52,462百万円となった。
流動負債は同1,850百万円増の49,563百万円となったが、これは主に支払手形及び買掛金の増加1,605百万円、未払法人税等の増加224百万円などによる。
固定負債は同40百万円減の2,899百万円となったが、主に長期借入金の減少54百万円、退職給付に係る負債の増加63百万円などによる。
純資産合計は、主に当期純利益の計上による利益剰余金の増加2,612百万円などにより、同2,646百万円増の53,361百万円となった。
2. 2024年10月期第2四半期の商品別概況(単体ベース)
商品別の状況(単体ベース)は以下のとおり。
(1) 機器用・通信用電線
取扱商品の中では比較的付加価値が高く、銅価格の変動の影響が少ない商品である。
売上高は21,847百万円(前年同期比11.2%増)となり、売上構成比も34.8%(前年同期は33.6%)へ上昇した。
半導体製造装置関連や工作機械向けが停滞したが、自動車関連向けなどが好調に推移した。
(2) 電力用ケーブル
主に建設用(ビル、工場、病院及び学校等の大型施設など)に使われる電線であるが、競争も激しく利益率は低い。
売上高は22,891百万円(前年同期比9.6%増)となった。
住宅関連はやや低調だったが、建設関連が堅調に推移したことや、銅価格の上昇に伴う価格改定が追いついてきたことも増収に寄与した。
さらに全体的に市場で品薄感が出て需給がひっ迫し、粗利率が改善した。
(3) 汎用被覆線
主に電力用より細い電線で、住宅などに用いられる。
電力用ケーブルと同様、建設用を中心に回復傾向が見られ、売上高は6,439百万円(同14.1%増)となった。
(4) その他電線
主に中小メーカー向けの銅裸線の販売であるため、販売価格はほぼ銅価格にスライドする。
売上高は3,140百万円(同0.1%増)となったが、平均銅価格が8.1%上昇しているため、数量ベースでは低下した。
(5) 非電線
電線以外の商品が含まれる。
各種の加工品、付属品、周辺機器などで、主要製品はソーラー関連の部品及び加工品※とワイヤーハーネス関連だが、銅価格の影響は比較的小さく相対的に利益率の高い部門である。
半導体関連向けや工作機械向けが上半期の後半(第2四半期会計期間)にスローダウンしたことなどから売上高は8,461百万円(同6.6%減)となった。
※ソーラー関連は、ケーブルだけの場合は「電力用ケーブル」に、コネクター及び加工品が付いた場合は「非電線」に区分けされている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)