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泉州電業 Research Memo(6):中期経営計画:目標は2026年10月期に経常利益100億円だが射程内

発行済 2024-06-25 16:06
更新済 2024-06-25 16:15
© Reuters.
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*16:06JST 泉州電業 Research Memo(6):中期経営計画:目標は2026年10月期に経常利益100億円だが射程内 ■中長期の成長戦略

1. 中期経営計画:数値目標と重要施策
泉州電業 (TYO:9824)は、2025年10月期を最終年度とする中期経営計画を発表していたが、この計画の定量的目標を2年前倒しで達成したため、今回新たに2026年10月期を最終年度とする「中期経営計画:SS2026」を発表した。


(1) 定量的目標は射程内
定量的目標としては、2026年10月期に「連結売上高1,500億円」「経常利益100億円」「ROE10.0%以上」を掲げたが、上記のように2024年10月期の経常利益予想が既に100億円となっていることから、この目標の達成は射程内と言える。
したがって、2024年10月期の決算発表時(2024年12月頃)には、新しい中期経営計画が発表されるものと弊社では見ている。


(2) 重要施策
上記のように定量的な目標は既に射程内だが、以下のような重要施策を今後も継続して実行していく方針だ。


a) オリジナル商品開発及び加工部門強化により直需部門の売上アップ
b) ジャスト・イン・タイム体制の充実
c) 関東地区での営業強化及び、その他地区におけるシェア拡大
d) 自社ブランドを含む非電線商品の開発及び拡販、新分野の開拓推進
e) グローバル展開の強化によるグループ収益力の向上
f) サステナビリティ経営の推進
g) 泉州変革プロジェクト(仕入、物流、人事、新商品)の推進

2. 中期経営計画:新分野の開拓/アビルヒーター
自社開発品である「アビルヒーター」の拡販をさらに進める。
「アビルヒーター」は農業用地中加温ビニール線で、ビニールハウス等の土壌を直接温めることでCO2排出量の削減に寄与し、生育スピードを早めることで収穫回転率を上げることができる。


(長久手ハウスでの実証実験)
愛知県長久手市「泉州電業 長久手ハウス」で、実際にアビルヒーターを使ったトマトやイチゴの栽培を行っている。
この試験農場の様子は、YouTubeで配信されている。


同社では、「アビルヒーター」を含むアグリ事業で2027年までに年間売上高10億円を目標に掲げており、今後の進展が注目される。


3. サステナビリティ経営
同社では、経営理念として「新しい価値を創造して能力を発揮し社業の発展に努め社会に貢献するとともに株主に報い社員の福利厚生を図る」を掲げている。
これに基づき、「企業価値向上」のために「ESG経営」と「サステナビリティ経営」を推進していく方針だ。


E:環境保全
マテリアリティ(重要課題)として、「CO2排出量削減」「気候変動への対応」「環境法規制の遵守」を挙げている。
具体的な取り組みとして、2021年12月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言へ賛同し、同提言に基づく「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4分野での情報開示を行っている。
また、中期目標として「CO2の排出量を2030年に2013年度比50%削減」、長期目標として「2050年カーボンニュートラル」を掲げている。
このほか、2024年5月には「2023環境報告書」を発刊した。


S:人権の尊重と配慮/働きがいのある職場環境の整備/安定的な商品供給とサービスの供給
マテリアリティとして、「情報セキュリティ強化」「品質管理体制の強化」「取引先・従業員とのエンゲージメント向上」「健康経営の推進」「安全衛生の充実」「ダイバーシティの推進」「福利厚生の充実」を挙げている。
成果として「健康経営優良法人2024」に認定されている。


G:ガバナンスの強化
マテリアリティとして、「コーポレート・ガバナンスの充実」「コンプライアンスの徹底」「リスク管理」を挙げている。
具体的な取り組みとして、2024年5月30日に「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」を開示している。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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