*16:54JST 澁澤倉庫 Research Memo(4):内外ロジスティクスなど物流事業と不動産事業を展開(2)
■澁澤倉庫 (TYO:9304)の事業概要
(2) 国際ロジスティクス
(a) 輸出入フォワーディングサービス
輸出入フォワーディングサービスとは、通関・輸出入海貨業務、国際輸送、海上輸送、航空輸送のことである。
通関・輸出入海貨業務では、AEO(Authorized Economic Operator)認定通関業者として、熟練したスタッフや通関士を全国の主要な港や空港に配置し、日用品・アパレル・化学品・食料品・機械類など様々な商品の通関を行っている。
また、プラント輸出に加え自由貿易協定(FTA)やその他法令、再輸出、免税手続き、戻し税手続きといった専門的なノウハウが必要な通関に関しても、相談から申告手続きまでサポートできる。
国際輸送サービスでは同社は、ワールドワイドなネットワークを構築しており、陸・海・空の輸送モードの最適な組み合わせによる国際輸送サービスを提供している。
三国間輸送や非居住者在庫など多様な国際物流ニーズに対応するとともに、FTAなどの利用を考慮した最適な輸送ルートを提案することで、顧客の調達・販売戦略をサポートする。
海上輸送では、NVOCC※として、コンテナ貨物・混載貨物の海上輸送サービスや、Door to Doorの複合一貫輸送サービスなどを提供しており、自動車部品や化学品などの豊富なベース貨物を生かしたコスト競争力・スケジュールの多様性が同社の強みである。
B/L(船荷証券)は、同社が発行するHOUSE B/Lもしくは船会社が発行するB/Lいずれも利用することができる。
また、混載貨物(LCL)サービスとして、横浜から上海・香港向けの輸送サービスを提供している。
※NVOCC(Non Vessel Operating Common Carrier):船舶や航空機を持たない貨物利用運送事業者。
航空輸送では、IATA(国際航空運送協会)の公認代理店として、精密機器から自動車部品、化学品原材料、食品・イベント輸送に至るまで幅広いサービスを提供している。
また、(一社)国際フレイトフォワーダーズ協会(JIFFA)の正会員である同社は、中国・香港・ベトナム・フィリピンにある海外現地法人や提携代理店と連携して、陸・海・空による複数の輸送手段を組み合わせることができる。
このため、家電や精密機械、自動車部品などの輸送に際して、納期短縮やコスト低減を提案するなど、様々な企業に効率的で最適なDoor to Doorサービスを提供している。
提携代理店は、北米、ヨーロッパ、アジア、オセアニア、ブラジル、サウジアラビア、南アフリカなどほぼ全世界をカバーしている。
(b) BPO
商品の輸出入には、受発注業務やインボイス、パッキングリストなどの書類の作成、現地取引先とのスケジュール調整、官庁手続き、銀行手続きなど、物の移動以外に煩雑な手続きが伴う。
同社は長年にわたる豊富な貿易実務経験により、顧客に代わってこうした輸出入手続きを行うBPO(Business Process Outsourcing)サービスを提供している。
一例として、得意の飲料・食品流通のノウハウを生かし、海外での販路拡大に興味はあるものの煩雑な貿易実務や専門知識の習得が課題となっている日本酒や生鮮品など日本食材の生産者に対して、貿易実務・輸出・各種認定手続きの代行や輸出入商談、海外販路の開拓支援を行い、海外で需要が高まる日本食材の輸出拡大に貢献している。
(c) 海外事業
中国や東南アジアをメインとする海外事業は同社にとって成長分野といえ、現在では中国、香港、ベトナム、フィリピンに現地法人を有している。
中国では自社車両や自社倉庫を有し、華東では上海を中心に、自動車部品や機械部品、家電品、化学品、日用品、家具などの貨物を取り扱い、輸出入フォワーディング、流通加工、地場・長距離幹線輸送、内航船輸送などの総合物流サービスを提供している。
華南では広州を中心に、化学品や工業製品、家電品、日用品などの貨物を取り扱い、輸出入フォワーディング、通関、倉庫保管、陸上運送サービスに加え、香港やベトナムと華南を陸路で結ぶクロスボーダー輸送サービスを提供している。
中国大陸へのゲートウェイ機能が低下している香港では、輸出入フォワーディングや倉庫保管・流通加工、中国とのクロスボーダー輸送などのほか、冷蔵・冷凍倉庫での保管や、冷蔵・冷凍車両による日本食材のレストランや個人宅向け宅配事業など、コールドチェーン物流にも注力している。
ベトナムでは、同社が90%出資する現地法人Shibusawa Logistics Vietnam Co.,Ltd.(SLV)がホーチミンとハノイの2拠点で、輸出入フォワーディング、陸上運送、保税倉庫管理といったサービスを提供しており、自動車部品などのベース貨物の取扱数量を生かした海上運賃仕入れコストの競争力や緊急輸送対応力に定評がある。
また、約45%を出資する持分法適用関連会社VINAFCO JOINT STOCK CORPORATIONがカバーする、ベトナム全域の物流ネットワークを活用した総合物流サービスも強みである。
フィリピンのマニラでは、2022年6月にTDG-Shibusawa Logistics, Inc.が現地営業を開始した。
フィリピンはサプライチェーン分散化の受け皿として存在価値を強めており、オペレーション対応力と輸送スケジュール提案力を強みに、マニラ近郊に進出する日系企業向けに輸出入フォワーディングサービスを提供しているほか、日本から輸出した日本食・ワインの輸入一貫サービスを開始している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
(2) 国際ロジスティクス
(a) 輸出入フォワーディングサービス
輸出入フォワーディングサービスとは、通関・輸出入海貨業務、国際輸送、海上輸送、航空輸送のことである。
通関・輸出入海貨業務では、AEO(Authorized Economic Operator)認定通関業者として、熟練したスタッフや通関士を全国の主要な港や空港に配置し、日用品・アパレル・化学品・食料品・機械類など様々な商品の通関を行っている。
また、プラント輸出に加え自由貿易協定(FTA)やその他法令、再輸出、免税手続き、戻し税手続きといった専門的なノウハウが必要な通関に関しても、相談から申告手続きまでサポートできる。
国際輸送サービスでは同社は、ワールドワイドなネットワークを構築しており、陸・海・空の輸送モードの最適な組み合わせによる国際輸送サービスを提供している。
三国間輸送や非居住者在庫など多様な国際物流ニーズに対応するとともに、FTAなどの利用を考慮した最適な輸送ルートを提案することで、顧客の調達・販売戦略をサポートする。
海上輸送では、NVOCC※として、コンテナ貨物・混載貨物の海上輸送サービスや、Door to Doorの複合一貫輸送サービスなどを提供しており、自動車部品や化学品などの豊富なベース貨物を生かしたコスト競争力・スケジュールの多様性が同社の強みである。
B/L(船荷証券)は、同社が発行するHOUSE B/Lもしくは船会社が発行するB/Lいずれも利用することができる。
また、混載貨物(LCL)サービスとして、横浜から上海・香港向けの輸送サービスを提供している。
※NVOCC(Non Vessel Operating Common Carrier):船舶や航空機を持たない貨物利用運送事業者。
航空輸送では、IATA(国際航空運送協会)の公認代理店として、精密機器から自動車部品、化学品原材料、食品・イベント輸送に至るまで幅広いサービスを提供している。
また、(一社)国際フレイトフォワーダーズ協会(JIFFA)の正会員である同社は、中国・香港・ベトナム・フィリピンにある海外現地法人や提携代理店と連携して、陸・海・空による複数の輸送手段を組み合わせることができる。
このため、家電や精密機械、自動車部品などの輸送に際して、納期短縮やコスト低減を提案するなど、様々な企業に効率的で最適なDoor to Doorサービスを提供している。
提携代理店は、北米、ヨーロッパ、アジア、オセアニア、ブラジル、サウジアラビア、南アフリカなどほぼ全世界をカバーしている。
(b) BPO
商品の輸出入には、受発注業務やインボイス、パッキングリストなどの書類の作成、現地取引先とのスケジュール調整、官庁手続き、銀行手続きなど、物の移動以外に煩雑な手続きが伴う。
同社は長年にわたる豊富な貿易実務経験により、顧客に代わってこうした輸出入手続きを行うBPO(Business Process Outsourcing)サービスを提供している。
一例として、得意の飲料・食品流通のノウハウを生かし、海外での販路拡大に興味はあるものの煩雑な貿易実務や専門知識の習得が課題となっている日本酒や生鮮品など日本食材の生産者に対して、貿易実務・輸出・各種認定手続きの代行や輸出入商談、海外販路の開拓支援を行い、海外で需要が高まる日本食材の輸出拡大に貢献している。
(c) 海外事業
中国や東南アジアをメインとする海外事業は同社にとって成長分野といえ、現在では中国、香港、ベトナム、フィリピンに現地法人を有している。
中国では自社車両や自社倉庫を有し、華東では上海を中心に、自動車部品や機械部品、家電品、化学品、日用品、家具などの貨物を取り扱い、輸出入フォワーディング、流通加工、地場・長距離幹線輸送、内航船輸送などの総合物流サービスを提供している。
華南では広州を中心に、化学品や工業製品、家電品、日用品などの貨物を取り扱い、輸出入フォワーディング、通関、倉庫保管、陸上運送サービスに加え、香港やベトナムと華南を陸路で結ぶクロスボーダー輸送サービスを提供している。
中国大陸へのゲートウェイ機能が低下している香港では、輸出入フォワーディングや倉庫保管・流通加工、中国とのクロスボーダー輸送などのほか、冷蔵・冷凍倉庫での保管や、冷蔵・冷凍車両による日本食材のレストランや個人宅向け宅配事業など、コールドチェーン物流にも注力している。
ベトナムでは、同社が90%出資する現地法人Shibusawa Logistics Vietnam Co.,Ltd.(SLV)がホーチミンとハノイの2拠点で、輸出入フォワーディング、陸上運送、保税倉庫管理といったサービスを提供しており、自動車部品などのベース貨物の取扱数量を生かした海上運賃仕入れコストの競争力や緊急輸送対応力に定評がある。
また、約45%を出資する持分法適用関連会社VINAFCO JOINT STOCK CORPORATIONがカバーする、ベトナム全域の物流ネットワークを活用した総合物流サービスも強みである。
フィリピンのマニラでは、2022年6月にTDG-Shibusawa Logistics, Inc.が現地営業を開始した。
フィリピンはサプライチェーン分散化の受け皿として存在価値を強めており、オペレーション対応力と輸送スケジュール提案力を強みに、マニラ近郊に進出する日系企業向けに輸出入フォワーディングサービスを提供しているほか、日本から輸出した日本食・ワインの輸入一貫サービスを開始している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)