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【どう見るこの相場】震源地不明のマーケット、投資家は「金」に走る?日銀・FRBの思惑と政情不安で株価の行方は?

発行済 2024-08-26 08:15
更新済 2024-08-26 08:35
© Reuters.  【どう見るこの相場】震源地不明のマーケット、投資家は「金」に走る?日銀・FRBの思惑と政情不安で株価の行方は?
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[日本インタビュ新聞社] - ■「二日新甫」の9月相場はアップサイドでもダウンサイドでも金関連株になお「ラストリゾート」余地

 どれが本震でどれが余震か、本震はこれからなのか、株価変動エネルギーは出尽くしたのか、余震はなお長引くのかなどはなはだ不透明である。8月5日に日経平均株価が、過去最大の下落幅となり、翌6日には過去最大の上昇幅となった大激震は、およそ2週間が経たものの、日中値幅は、朝高後の引け安、朝安後の引け高などとなお上に下にと揺り戻しが続いており、振り回されているからだ。

 何といっても、震源地がはっきりしないのが第一である。震源地が日本銀行かFRB(米連邦準備制度理事会)か、円高・円安に急激に乱高下する為替相場か、それとも米国景気の先行き懸念なのかなど輻輳している。日銀やFRBが震源地ならば、それこそ本震になるのか揺り戻し程度にとどまるのかは定かでないが、両国の中央銀行の次回の金融政策決定会合への警戒は怠れない。FRBは、9月17日、18日にFOMC(公開市場委員会)を、日銀は9月19日、20日に金融政策決定会合をそれぞれ開催予定である。パウエルFRB議長は、前週末23日のジャクソンホール会議の講演で、9月のFOMCでの利下げを明言したと受け取られ、ニューヨーク工業株30種平均(NYダウ)は一時、7月17日につけた史上最高値を更新したが、為替相場は、1ドル=144円台と円高・ドル安に振れており、なお波乱ファクターが尾を引いた。週明けの東京市場がギャップアップでスタートするかギャップダウンで始まるか投資家マインドを悩ませそうだ。

■米日金融政策と円相場が市場を左右する

 とくに日銀に関しては、7月31日の植田和男総裁のタカ派発言が、円キャリートレードの巻き戻しの引き金となり急激な円買い、日本株売りにつながり、8月7日の内田真一副総裁の「金融資本市場が不安定な状況で利上げすることはない」とのハト派発言で小康を得ていた。この総裁と副総裁の「マッチ・ポンプ」の関係にある発言は、円キャリートレードを停止させた効果とともに、新たな円キャリートレードを促したとの見方もある。前週23日の植田日銀総裁への国会閉会中審査でも、同総裁の発言は、午前中の衆議院ではタカ派、午後の参議院ではハト派と使い分け、マーケットを試したようにも聞こえ、震源地の地下深くにまたまたマグマが溜まっている可能性もある。

 しかもこの時期は、未知の震源地が鳴動することも想定される。日米の政治状況である。米国では、9月10日の大統領選挙のテレビ討論会で、ハリス副大統領が、初めてトランプ前大統領と論戦を交わす。この結果次第で、「ハリス・トレード」が再スタートするのか、「トランプ・トレード」が優勢となるか見定めなければならない。国内でも立憲民主党の代表選挙が9月7日に告示(23日投開票)、自民党の総裁選挙が9月12日に告示(27日投開票)されるなど政局が流動化する。自民党の総裁選挙で政治資金問題への政治不信を払拭する「刷新感」をアピールし、解散総選挙に打って出られるのかは、まだ「一寸先は闇」状況が続く。

 8月相場は、前半のクラッシュを後半に挽回して前半安を取り戻して上値で売り買いが交錯してきた。9月相場も、月初商いが2日にスタートする「二日新甫」である。「二日新甫」は、上へか下へか荒れるとするのが、相場アノマリーである。この相場アノマリーに従えば「リスクオン」か「リスクオフ」か決め打ちは難しく、あるいは日替わりや前場・後場で「リスクオン」と「リスクオフ」が入れ替わるかもしれない。しかも今週28日には生成AI(人工知能)半導体トップのエヌビディアの2024年5~7月期決算発表が予定され、この業績動向次第では、コア銘柄がグロース株となるかバリュー株に戻るかまたまた気迷う展開も想定される。

■9月相場、ハト派とタカ派の行方を見極める

 9月相場が、なおハト派とタカ派、「リスクオン」と「リスクオフ」の呉越同舟とすれば、この一角で両睨みのもう一つの選択肢が浮上する。安全第一を優先し「質への逃避(フライ・トゥ・クオリティ)のケースである。現金ポジションを高め、安全資産の国債や実物資産で無価値になる心配のない無国籍通貨ともいわれる金にシフトする投資スタンスである。

 このなかで金価格は、日米株価がともに暴落した8月相場でも、最高値追いを続け8月20日には1トロイオンス=2570.4ドルまで買われ逆行高した。経済制裁逃れの各国中央銀行の買い(公的購入)や相次ぐ地政学リスクへのヘッジ資産としても浮上し、FRBが利下げステージに入り金利が低下するなかで、金利のつかない金は相対的有利として買われてきた。また米大統領選挙でも、トランプ前大統領が当選する「もしトラ」に関してブレーンに金本位制回帰論者がいるとして金価格上昇の刺激材料になったこともある。

 そこで今週の当コラムでは、金価格関連株に「ラストリゾート(最後の拠り所)」の役割を期待することにした。今3月期業績を上方修正した住友金属鉱山<5713>(東証プライム)などの産金株はもちろん、貴金属回収のリデュース株、貴金属買い取り・再販のリユース株などに広く網を張り、きたるべく本震、余震、相場のアップサイド、ダウンサイドに備えたい。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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