[日本インタビュ新聞社] - ■ドローン業界の注目株
Liberaware<218A>(東証グロース)は、前日12日に6円高の407円と3営業日ぶりに反発して引け、25日移動平均線水準での三角保ち合いに煮詰まり感を強めた。同社株は、今年7月29日に新規株式公開(IPO)され自社開発の屋内専用の世界最小の狭小空間点検ドローン「IBIS」によりプラントメンテナンス、インフラメンテナンスの保守点検・データ解析事業を展開しているが、この実証試験の採択が相次ぎ、業績自体も一部黒字化してきたことがフォローして直近IPO株買いが再燃した。テクニカル的にも、IPO直後に日経平均株価が過去最大の下落幅と急落しても、安値は330円と公開価格310円目前にとどめており、下値の固さが意識されている。
■連続赤字予想も継続顧客の売上高割合は7割を超え売上総利益は増益率拡大
同社の実証実験の採択は、8月1日発表の神戸市、同7日の愛媛県、9月6日の東京都と続いた。神戸市ではドローンを活用した地下鉄駅舎の保守点検作業で7月下旬から実証実験を開始し、愛媛県では最大約3000万円の委託費で「デジタル実装加速化プロジェクト」に採択され、東京都向けではスマートサービス実装促進プロジェクト「Be Smart TOKYO」に2年連続で採択され三菱地所<8802>(東証プライム)の都内オフィスビルで小型ドローンの技術検証を行うほか、下水道局と共同実証実験を開始して人が進入困難な環境で工事出来高確認の新手法構築を目指す。
一方、IPO後の初決算で目下集計中の2024年7月期業績は、売り上げ8億1200万円(前の期比2.14倍)、営業利益4億6400万円の赤字(前の期は6億3000万円の赤字)、経常利益4億6300万円の赤字(同6億6300万円の赤字)、純利益4億6600万円の赤字(同6億4100万円の赤字)と赤字幅は縮小するが連続赤字を見込んでいる。ドローン・ベンチャーとして研究開発費の増加や人材採用の人件費増が響いているものだが、大企業中心に260社超と取引実績があり、継続顧客の売上高割合が70%超と高水準なことから売上総利益は3億6300万円(同5000万円)と大幅増益を予想している。四半期別でも2024年7月期第3四半期(2024年5月~7月期)は、営業利益が黒字転換したとしている。
■公開価格目前で下値抵抗力を発揮して三角保ち合いが煮詰まり上場来高値奪回に再チャレンジ
株価は、公開価格310円に対して454円で初値をつけ465円高値まで買い進まれたが、直後の全般相場急落とともに上場来安値330円まで売られたが、公開価格を前に下値抵抗力を示した。同安値からは相次ぐ実証試験の採択で逆行高して上場来高値480円まで上値を伸ばしたあと、25日移動平均線を出没する三角保ち合いを続け煮詰まり感を強めてきた。低位値ごろも株価材料に逆行高し、上場来高値奪回に再チャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)