■財務分析と業績動向
(1)財務分析
マーケットエンタープライズ {{|0:}}の2015年6月期実績ベースの自己資本利益率(ROE)は25.8%であった。
この水準は日本企業の平均的ROEである8%を大きく上回るものだ。
同期の総資産経常利益率は23.8%と、ROEの値の92.5%の水準に達しており、非常に質の高いROEとなっている。
ROE25.8%は、売上高当期利益率3.4%、財務レバレッジ(総資産/自己資本)1.80倍、及び資産回転率(売上高/総資産)4.17回/年の3つに分解できる。
際立つのは資産回転率の高さだ。
同社の総資産が売上高に比べて低位に抑えられている要因は、有形固定資産と棚卸資産(商品)の残高の小ささにあると弊社では考えている。
同社はネット型リユース企業として販売用店舗を持たないことで有形固定資産が圧縮されており、2015年6月末の有形固定資産残高は31百万円であった。
業容拡大に向けた神戸リユースセンター設置、本社移転後の2015年12月末時点でも65百万円にとどまっている。
棚卸資産(商品)在庫については、2015年6月期の期末商品残高は309百万円であった(期首期末平均では217百万円)。
同期の売上原価は2,090百万円で、これらから求めた売上原価に基づく棚卸資産回転期間は1.25ヶ月であった。
前述したように、リアルとITを調和させて効率性の高い経営を行うという同社の経営理念が財務分析の数値に如実に表れていると言える。
(2) 2016年6月期第2四半期決算 2016年6月期第2四半期は、売上高2,340百万円(前年同期比30.4%増)、営業利益87百万円(同83.4%増)、経常利益87百万円(同85.1%増)、四半期純利益53百万円(同93.9%増)と大幅増収増益で着地した。
売上高は、既存の買取拠点での購買力が向上したことに加え、新規拠点開設(2015年10月に神戸リユースセンターを開設)やアライアンス効果が貢献し、前年同期比30%を超える増収となった。
神戸リユースセンターは近畿・中国地方における仕入基盤強化にストレートに結びついているもようだ。
またアライアンスに関しては、仕入高の約10%がアライアンス経由となっており、安定的かつ効率的な仕入体制の構築が進んでいる。
売上高売上総利益率は47.2%と前年同期の46.6%から0.6%ポイント改善した。
保証サービスの拡充による販売単価上昇やデータベースの充実による買取査定の精緻化が売上高売上総利益率改善に寄与した。
販管費は対売上高比率が43.5%と前年同期の44.0%から0.5%ポイント改善した。
Webマーケティングの効率化やアライアンス強化によって仕入サイドの広告宣伝費が削減されたことや業務システム・業務プロセスの見直しなどで生産性が向上したことが貢献した。
2016年6月期第2四半期の通期予想に対する進捗率は、売上高が44.6%、営業利益が27.2%などとなっている。
利益面での進捗を懸念する向きもあろうが、弊社では懸念の不要はないと考えている。
基本的にリユース品の商流には大きな季節性があり、春の移動シーズンに大きなピークがある。
具体的には2月~4月頃が買取りのピークであり、そこから約1ヶ月のタイムラグを置いた3月~5月が販売のピークとなる。
同社の第2四半期累計期間は閑散期に当たる。
第2四半期の評価軸としては、進捗率ではなく前年同期比伸び率や各指標の改善度合いに重きを置くべきというのが弊社の考え方だ。
(3) 2016年6月期業績見通し 2016年6月期通期について同社は、売上高5,250百万円(前期比31.6%増)、営業利益320百万円(同34.6%増)、経常利益321百万円(同41.3%増)、当期純利益200百万円(同46.3%増)を予想している。
これらの予想値は期初予想から変更はない。
業況については、今下期は上期から大きな変化はないとみられる。
前述のようにEC市場及びリユース市場は拡大トレンドが継続すると期待される。
同社としては仕入れを計画どおりにこなすことができれば販売面での実績も自ずと付いてくると弊社では考えている。
仕入面については、第2四半期(上期)に出店した神戸リユースセンターの本格寄与に加え、下期には仙台リユースセンターの設置が計画されている。
これによりこれまで出張買取ができていなかった東北地方に対して本格的なアプローチが可能になると期待される。
販売面では今下期から越境ECの取り込みが本格化する。
具体的には海外のマーケットプレイスサイトへの出店が成される予定だ。
商品の発送は日本国内からとなるため、国内サイトと海外サイトとの在庫連動のシステム構築や、物理的な海外向け発送のノウハウの蓄積などを同時並行で進めることになるだろう。
したがって今下期については業容急拡大などの過度な期待は禁物と考えているが、中期成長のための重要な一歩になるとみている。
コスト面ではアライアンスやWebマーケティング強化を通じた広告宣伝費削減や、業務効率性の改善の流れは下期も継続するとみている。
前述のように仙台リユースセンターの開設を控え、その費用増加をどこまで吸収できるかがポイントだが、今下期はピークシーズンにかかるため、垂直立ち上げとなり、出店の初期費用を吸収できるとみている。
結果的に売上高販管費率は一段と低下してくると考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
この水準は日本企業の平均的ROEである8%を大きく上回るものだ。
同期の総資産経常利益率は23.8%と、ROEの値の92.5%の水準に達しており、非常に質の高いROEとなっている。
ROE25.8%は、売上高当期利益率3.4%、財務レバレッジ(総資産/自己資本)1.80倍、及び資産回転率(売上高/総資産)4.17回/年の3つに分解できる。
際立つのは資産回転率の高さだ。
同社の総資産が売上高に比べて低位に抑えられている要因は、有形固定資産と棚卸資産(商品)の残高の小ささにあると弊社では考えている。
同社はネット型リユース企業として販売用店舗を持たないことで有形固定資産が圧縮されており、2015年6月末の有形固定資産残高は31百万円であった。
業容拡大に向けた神戸リユースセンター設置、本社移転後の2015年12月末時点でも65百万円にとどまっている。
棚卸資産(商品)在庫については、2015年6月期の期末商品残高は309百万円であった(期首期末平均では217百万円)。
同期の売上原価は2,090百万円で、これらから求めた売上原価に基づく棚卸資産回転期間は1.25ヶ月であった。
前述したように、リアルとITを調和させて効率性の高い経営を行うという同社の経営理念が財務分析の数値に如実に表れていると言える。
(2) 2016年6月期第2四半期決算 2016年6月期第2四半期は、売上高2,340百万円(前年同期比30.4%増)、営業利益87百万円(同83.4%増)、経常利益87百万円(同85.1%増)、四半期純利益53百万円(同93.9%増)と大幅増収増益で着地した。
売上高は、既存の買取拠点での購買力が向上したことに加え、新規拠点開設(2015年10月に神戸リユースセンターを開設)やアライアンス効果が貢献し、前年同期比30%を超える増収となった。
神戸リユースセンターは近畿・中国地方における仕入基盤強化にストレートに結びついているもようだ。
またアライアンスに関しては、仕入高の約10%がアライアンス経由となっており、安定的かつ効率的な仕入体制の構築が進んでいる。
売上高売上総利益率は47.2%と前年同期の46.6%から0.6%ポイント改善した。
保証サービスの拡充による販売単価上昇やデータベースの充実による買取査定の精緻化が売上高売上総利益率改善に寄与した。
販管費は対売上高比率が43.5%と前年同期の44.0%から0.5%ポイント改善した。
Webマーケティングの効率化やアライアンス強化によって仕入サイドの広告宣伝費が削減されたことや業務システム・業務プロセスの見直しなどで生産性が向上したことが貢献した。
2016年6月期第2四半期の通期予想に対する進捗率は、売上高が44.6%、営業利益が27.2%などとなっている。
利益面での進捗を懸念する向きもあろうが、弊社では懸念の不要はないと考えている。
基本的にリユース品の商流には大きな季節性があり、春の移動シーズンに大きなピークがある。
具体的には2月~4月頃が買取りのピークであり、そこから約1ヶ月のタイムラグを置いた3月~5月が販売のピークとなる。
同社の第2四半期累計期間は閑散期に当たる。
第2四半期の評価軸としては、進捗率ではなく前年同期比伸び率や各指標の改善度合いに重きを置くべきというのが弊社の考え方だ。
(3) 2016年6月期業績見通し 2016年6月期通期について同社は、売上高5,250百万円(前期比31.6%増)、営業利益320百万円(同34.6%増)、経常利益321百万円(同41.3%増)、当期純利益200百万円(同46.3%増)を予想している。
これらの予想値は期初予想から変更はない。
業況については、今下期は上期から大きな変化はないとみられる。
前述のようにEC市場及びリユース市場は拡大トレンドが継続すると期待される。
同社としては仕入れを計画どおりにこなすことができれば販売面での実績も自ずと付いてくると弊社では考えている。
仕入面については、第2四半期(上期)に出店した神戸リユースセンターの本格寄与に加え、下期には仙台リユースセンターの設置が計画されている。
これによりこれまで出張買取ができていなかった東北地方に対して本格的なアプローチが可能になると期待される。
販売面では今下期から越境ECの取り込みが本格化する。
具体的には海外のマーケットプレイスサイトへの出店が成される予定だ。
商品の発送は日本国内からとなるため、国内サイトと海外サイトとの在庫連動のシステム構築や、物理的な海外向け発送のノウハウの蓄積などを同時並行で進めることになるだろう。
したがって今下期については業容急拡大などの過度な期待は禁物と考えているが、中期成長のための重要な一歩になるとみている。
コスト面ではアライアンスやWebマーケティング強化を通じた広告宣伝費削減や、業務効率性の改善の流れは下期も継続するとみている。
前述のように仙台リユースセンターの開設を控え、その費用増加をどこまで吸収できるかがポイントだが、今下期はピークシーズンにかかるため、垂直立ち上げとなり、出店の初期費用を吸収できるとみている。
結果的に売上高販管費率は一段と低下してくると考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)