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GセブンHD Research Memo(7):積極的なM&Aにより2026年3月期に売上高2,500億円を目指す

発行済 2024-11-20 11:07
更新済 2024-11-20 11:15
© Reuters.
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*11:07JST GセブンHD Research Memo(7):積極的なM&Aにより2026年3月期に売上高2,500億円を目指す ■G-7ホールディングス (TYO:7508)の今後の見通し

2. 中期経営計画の進捗状況
(1) 中期経営計画の概要と進捗状況
同社は創業50周年となる2026年3月期を最終年度とした5ヶ年の中期経営計画を2022年3月期からスタートした。
業績目標として2026年3月期に売上高2,500億円、経常利益100億円を掲げている。
また、2024年10月30日付で発表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」のなかで、新たにROEや資本政策に関する目標も追加した。
ROEについては2024年3月期(18.3%)の水準の維持・上昇を目指し、自己資本資本比率は40%台を目安とした。
また、2025年3月期から2026年3月期の2期間の投資額(M&A含む)については220億円を計画しており、うちM&Aについては120億円(ボン・サンテ、新和自動車の株式取得費用含む)の予算枠を設定している。


2024年3月期までの3期間は、物価上昇に伴う出店コストや光熱費の上昇、巣ごもり需要の一巡によるミニスーパー事業の低迷などもあって、経常利益で計画をやや下回る進捗となった。
ただ、2024年に業務スーパー事業で売上高130億円規模の会社を子会社化したほか、車関連事業でも売上高20億円規模の会社を子会社化したことで目標が射程圏内に入ってきた。


同社では成長実現のため、以下の10項目を重点テーマとして取り組む方針だ。

1) 事業会社各社で毎期増収増益、過去最高に挑戦する
2) 事業会社各社で黒字必達とする
3) 赤字総店舗数及び赤字総額0に挑戦する
4) 生産性指標となる従業員1人当たりの売上高、売上総利益の2項目ともに前期比アップを目指す
5) 売上伸長率を上回る利益伸長率を必達する
6) 投資効率の良い新規事業、新業態の開発に挑戦する
7) 投資効率の良い新店を毎期50~70店舗出店に挑戦する(店舗数は2021年3月期末の586店舗から2026年3月期に1,000店舗へ、G-7モール含む)
8) M&A、資本業務提携の推進に取り組む
9) 採用を強化し人材育成、人材教育に全力で取り組む(パートを含む従業員数は2021年3月期末の7,746人から2026年3月期に14,000人へ)
10) ESG及びSDGsへの取り組みを推進する

このうち、2)については、2024年3月期においてG-7リコス・ストアズやマレーシア子会社が赤字となっているが、2026年3月期までに黒字化できる可能性は十分にあると弊社では見ている。
3)については、2025年3月期中間期時点で全店舗(開店4年目以降の店舗558店舗)のうち3割強が赤字となっており、改善が遅れ気味となっている。
今後、店舗運営の生産性や在庫回転率の向上、商品戦略の見直しに取り組み、赤字店舗を削減していく考えだ。
4)の生産性指標については、売上高・売上総利益ともに増加傾向となっている。
業務スーパー事業の成長によるところが大きいが、今後もすべての事業において前期比アップを目指す。


6)の投資効率の良い新規事業、新業態の開発については2025年3月期にアウトレット事業を開始したほか、今後も新たな取り組みに挑戦していく考えだ。
7)の出店計画については、物価上昇により出店コストが上昇したこともあって、2022年3月期34店舗、2023年3月期27店舗、2024年3月期24店舗と目標としてきた50~70店舗の半分程度の水準にとどまっている。
2025年3月期はM&A効果も含めると42店舗の新規出店を計画しているが、目標の1,000店舗達成のハードルは高くなっている。


9)の人材採用・教育についても、企業の成長の源泉は「人材」であるとの考えのもと、引き続き強化する方針で、2024年4月の新卒社員数はグループで104名と前期並みの採用を実施した。
2025年春の採用計画は前年と同様200名としている。
人材育成の取り組みに関しては、若手幹部社員の育成・登用のための定期研修の継続に加えて、個々の社員のスキルアップ並びにモチベーションアップにつながる人事考課の見直しも進めている。


(2) 事業別収益目標
主力事業の収益目標(事業会社の目標)は、業務スーパー事業で売上高1,000億円、経常利益45億円(2021年3月期比売上高1.19倍、経常利益1.13倍)、オートバックス事業で売上高500億円、経常利益25億円(同売上高1.57倍、経常利益1.20倍)、精肉事業で売上高350億円、経常利益12億円(同売上高1.91倍、経常利益1.28倍)を見込んでいる。


このうち業務スーパー事業は、2024年3月期に2年前倒しで目標を達成しており、2025年3月期以降もM&A効果を含めてさらなる成長を目指す方針だ。
出店戦略については、関東や中部、九州を中心に出店を加速するほか、既存店のリニューアルによる生産性向上にも取り組む。


一方、オートバックス事業については今後2期間で売上高を1.5倍、経常利益を1.9倍に拡大する必要がありチャレンジングな目標となるが、車検等のサービス売上構成比の引き上げによる既存店の売上高増加と収益性向上を図るとともに、カーライフというカテゴリーでM&Aも含めて周辺事業に領域を拡大することで成長を目指す考えだ。


精肉事業も、今後2期間で売上高を1.7倍、経常利益を3倍に拡大する必要があり、オートバックス事業と同様にハードルが高くなっている。
売上高については集客力の高い「業務スーパー」との同時出店により積極出店を継続するほか、輸入肉仕入コストの高騰を生産性向上でカバーし、収益性向上を図る。


ミニスーパー事業については売上高で2025年3月期見込み比2倍となる210億円、経常利益で4億円とチャレンジングな目標を立てていたが、当面は既存店舗の黒字化を最優先課題に取り組み、黒字化のめどが立った段階で成長戦略を打ち出していく。
社会様式の変化とともに増加する個食化ニーズをいかに取り込むことができるか、また生産性向上が黒字化達成のカギを握ると見られる。


そのほかバイクワールド事業、こだわり食品・PB事業、アグリ事業(めぐみの郷)、海外事業はそれぞれ売上高100億円、経常利益で2~3億円の規模を目標としている(アグリ事業については流通額ベース)。
また、カーブス事業や店舗内装事業(主に業務スーパー店舗の施工)については、売上高で各20億円を目標とする。
当初の目標に対して乖離が生じている事業もあるが、基本的にはすべての事業を拡大するとともに、M&Aも積極的に推進しながら中長期的な成長を目指す。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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