テスラ・インク（NASDAQ:TSLA）は、世界の主要生産拠点である上海工場で、電気自動車「モデルY」の生産を削減した。この決定は、テスラが激しい競争に直面している中国市場で、老朽化したモデルに対する需要が減少していることに対応するもので、景気後退により電気自動車（EV）メーカーが積極的な価格設定を行っている。
テスラにとって世界最大の生産拠点である上海工場では、3月から6月にかけてモデルYの生産台数を少なくとも20％減らす計画だった。中国汽車工業協会（CAAM）によると、中国におけるモデルYの生産台数は3月が4万9498台、4月が3万6610台で、前年同月比でそれぞれ17.7％、33％減少した。
テスラの中国におけるモデルYとモデル3の生産台数は、1～4月の合計で28万7,359台となり、前年同期比で5％減少した。一方、CAAMのデータによると、モデル3の生産台数は10％増加した。
テスラがこうした減産を下半期にも拡大するのか、それともモデル3も減産となるのかはまだ不明だ。さらに、米国とドイツにあるテスラの施設が同様の生産調整を実施するかどうかも不明である。テスラはこれらの生産変更についてコメントしていない。
テスラは木曜日に発表した最新の影響報告書で、2030年までに年間2,000万台の車両を納入するという目標を外し、EVからロボットタクシーや人工知能技術への戦略的シフトを示唆した。
減産やテスラの中国販売・充電サービスチームの人員削減にもかかわらず、同社は2024年に中国で60万台から70万台を販売することを目標としている。この数字は、テスラの世界的な目標である200万台のEV販売台数の一部であり、同じく匿名希望の別の情報筋によると、この目標は年初から変わっていないという。
中国での販売を刺激するため、テスラは4月にモデルYの価格を2021年の同国での発売以来の最低価格に引き下げ、モデル3の購入者には金利ゼロの融資オプションを提供した。
中国の電気自動車およびプラグイン・ハイブリッド車市場におけるテスラの市場シェアは、2023年の7.8%から、今年1～4月は6.8%に減少した。同社は昨年、中国で60万3664台を販売した。一方、国内競合のBYD（SZ:002594）は、最初の4ヶ月間で34.3％のシェアを獲得し、2023年通年の35％からわずかに低下して市場をリードした。
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