テスラ・インク（NASDAQ:TSLA）は6月13日、デラウェア州の裁判所によって無効とされたイーロン・マスクCEOの560億ドルの報酬パッケージの行方を決める重要な株主投票に直面している。株主はまた、同社の本籍地を現在のデラウェア州からテキサス州に移すかどうかも決定することになっている。
今度の投票は、マスク氏が自身の報酬パッケージの承認に不適切な影響を与えたとするデラウェア州裁判官の1月の判決を受けたもの。同判事は報酬について「理解できない」と述べており、投票の結果は法的にも大きな影響を及ぼすことが予想される。
もし株主がテキサスへの移転とマスク氏の報酬を肯定すれば、また新たな法的係争の引き金になることが予想される。これらの潜在的な争いの行方は、テスラの本籍地に関する投票の結果に左右されるかもしれない。
マスク氏の給与をめぐる2018年の訴訟を起こした株主、リチャード・トルネッタ氏が表明した懸念にもかかわらず、デラウェア州のカタリーン・マコーミック大法官は5月28日、株主投票をめぐる紛争はデラウェア州の管轄内にとどまると断言した。
テスラがデラウェア州法人であり続ける場合、マコーミック総長は、マスク氏とテスラが上訴を進める前に、テスラがトルネッタ氏の弁護団に支払う弁護士費用を決定する。弁護団は60億ドルを要求しており、審問は7月8日に予定されている。
株主総会でのマスク氏の給与の批准は、それに反対する株主によって争われる可能性が高く、新たな訴訟に発展するか、マスク氏の報酬に関する現在進行中の訴訟に含まれる可能性がある。新たな訴訟が起これば、テスラとマスク氏が1月の判決を不服としてデラウェア州最高裁判所に上訴する一方で、大法院が株主投票に対する異議を取り上げる可能性がある。
マスク氏の給与に関する問題を是正するために批准投票を利用するというテスラの戦略は、企業取引の技術的欠陥を是正するために通常用いられるデラウェア州法に基づいている。しかし、このアプローチは同社にとって「斬新」なものであり、反論がないわけではない。コーポレート・ガバナンスの元教授であるチャールズ・エルソン氏は、テスラが意図しているように、取締役会による受託者義務違反を是正するために批准を用いることはできないと裁判所に提出した書類の中で主張した。
さらに、株主投票に対するマスク氏の影響力も精査されている。5月18日、マスク氏はソーシャルメディアへの投稿で、希望する25％の株式保有、テキサス州での会社設立、2018年の給与パッケージの復活を受け取れば、AIとロボット工学はテスラに残ることを示唆し、同意した。
証券取引委員会に委任状資料として提出されたこの声明は、取締役や役員が会社に属するビジネスチャンスを個人的に手にすることを禁じる会社法に抵触する可能性がある。
インベスティングプロの洞察
テスラ・インク(NASDAQ:TSLA)がその将来を形作る可能性のある法的挑戦や株主の決定を乗り切るには、同社の財務の健全性と市場パフォーマンスを考慮することが不可欠です。テスラの時価総額は5,679億3,000万ドルと堅調で、同社の規模の大きさと投資家の信頼を反映している。しかし、PERは41.03倍と、テスラは高い利益倍率で取引されており、利益と比較して割高な評価を示している。これは、2024年第1四半期時点の過去12ヶ月間の調整後PERが41.6であることによってさらに強調されている。
InvestingProのヒントは、テスラがバランスシート上で負債よりも多くの現金を保有しており、同社の事業と投資を支えることができる強力な流動性を示していることを強調する。この財務の安定性は、イーロン・マスクCEOの報酬パッケージの批准やテキサス州への移転の可能性を検討する株主を安心させるかもしれない。インベスティング・プロのヒントのもう一つの重要な点は、テスラが自動車業界において著名なプレーヤーであり、同社の影響力と市場シェアを考えると、投資家の意思決定に影響を与える可能性があるということだ。
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投資家も株主も、来る株主投票の意味合いとテスラの将来への潜在的な影響を検討する上で、これらの洞察は特に貴重なものとなるでしょう。
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