米国の景気後退懸念が高まる中、新興国株式は大幅に下落し、売りが広がった。投資家はより安全な資産に引き寄せられ、日本円の急騰が目立った。
世界の新興市場株を対象とするMSCI指数は、アジア全体に波及した日本株の急落に影響され、4.1％急落した。さらに、台湾と韓国のテクノロジー・セクターが業績懸念から下落圧力にさらされた。
このようなリスク回避的なセンチメントは、米国の景気後退への懸念を高めた、期待はずれの米雇用統計に対する金曜日の市場の反応を引き継いだものである。このデータの波及効果は新興市場全体に及び、新興市場はすでに中国の問題、相次ぐハイテクセクターの業績不振、中東の地政学的緊張に苦しんでいた。
市場トレーダーは現在、米連邦準備制度理事会（FRB）のより積極的な対応を予想しており、9月の会合で50ベーシス・ポイントの利下げが実施されるとの見通しを示している。
韓国の株式市場は2008年の金融危機以来最悪のセッションとなり、2020年3月以来初めてサーキットブレーカーが作動した。売りは欧州と中東の新興市場にも及んだ。
トルコのBIST-100指数は、市場前の大幅下落の後、2回取引が一時停止された。同指数は最終的に3.8%下落し、銀行株は4.2%下落した。同時にトルコリラは対米ドルで最安値を更新した。
円高ドル安はキャリートレードの巻き戻しを招き、高利回りの新興国通貨にさらなる圧力をかけた。しかし、中国人民元をはじめとする新興市場の資金調達通貨はドル安の恩恵を受けた。
マレーシア・リンギットは上昇基調を続け、対ドルで2023年4月以来の高値を付けた。ドルが0.5%下落したことで、MSCIの新興市場通貨指数は0.3%上昇し、欧州新興市場通貨も対ドルで回復した。
逆に、高利回りの新興市場通貨は損失を被った。インド・ルピーは今年最悪のアジア通貨となり、メキシコ・ペソは2022年10月以来の安値まで下落した。
経済指標の面では、トルコの7月の年間インフレ率が61.78％と予想をやや下回った。一方、チェコ共和国の小売売上高は4.4%増加した。
新興国市場では、ケニア、南アフリカ、ロシアの購買担当者景気指数が発表された。政治関連ニュースでは、バングラデシュのハシナ首相が不安定な状況のため「安全な避難所」に避難したと閣僚が報告した。企業関連のニュースでは、中国が大手国営金融機関に対し、監査法人PwCとの関係解消を要請したことが関係筋の話として明らかになった。
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