欧州株式市場は本日、米連邦準備制度理事会（FRB）が利下げを示唆するとの投資家の期待からウォール街の急騰に後押しされ、2週間半ぶりの高値水準まで上昇した。市場参加者は、水曜日のFRB7月理事会議事録の発表と、金曜日に開催されるジャクソンホール・シンポジウムでのパウエルFRB議長の講演を心待ちにしている。
FRB高官は最近、9月の利下げの可能性を示唆しており、ワイオミング州で開催される世界の中央銀行が集まるジャクソンホール会議でのパウエル議長らのハト派的なスタンスに対する市場の期待が高まっている。マッコーリーのストラテジスト、ティエリー・ウィズマンによると、FRBが米国経済のディスインフレ傾向を認めれば、来月の利下げの可能性が高まるという。
ウィズマン氏はまた、今後3回開催される連邦公開市場委員会（FOMC）のいずれかで50ベーシスポイントの利下げが行われる可能性に市場が注目していることを示唆した。
欧州では、STOXX600指数が0.2%の小幅上昇となり、8月1日以来の高値をつけ、失望的な米労働市場報告によって引き起こされた損失から回復した。
アジアでは、日本以外のアジア太平洋地域の株式で構成されるMSCI指数が1ヵ月ぶりの高値を付けた後、上げ幅を縮小し、0.3%高で終了した。日本の日経平均株価は1.8％高で引け、2週間以上ぶりの高水準を記録したが、中国の優良株は根強い経済懸念を背景に0.7％下落した。香港のハンセン指数は0.5％下落した。
米国株式先物はプラスで始まり、S&P500先物は0.1％、ナスダック先物は0.3％上昇した。この上昇により、世界の株価はここ1ヵ月で最も高い位置にある。
ハト派的なFRBへの期待がドル相場を圧迫し、対ユーロでは1.108775ドルと7カ月ぶりの安値まで下落した。英ポンドも1ヶ月ぶりの高値をつけ、1.2995ドルで取引された。ドル・インデックスは101.84を記録し、1月初旬以来の低水準まで下落した。
ドル円は146.50円と堅調に推移している。トレーダーは上田和生日銀総裁が金曜日に国会に出席するのを楽しみにしている。上田総裁は日銀の最近の利上げ決定について議論する予定だ。
本日公表されたオーストラリア準備銀行（中央銀行）の8月会合議事録では、短期的な利下げはあり得ないとし、インフレ抑制のためには長期的に厳しい金融政策が必要かもしれないとの見解が示された。このニュースは豪ドルに若干の上昇効果をもたらしたが、豪ドルは序盤に1ヵ月ぶりの高値を付けた後、0.1%安で引けた。
商品市場では、中東の供給障害懸念が和らいだことから原油価格が下落し、ブレント原油は1％安の1バレル76.91ドル、米国産原油は1.2％安の1バレル73.50ドルとなった。
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