世界最大の食品会社ネスレは、マーク・シュナイダーCEOの退任に伴う大幅なリーダーシップの交代を発表した。2017年から指揮を執り、COVID-19パンデミックを乗り越えて同社を率いたシュナイダー氏は、同社の売上成長とイノベーションのペースに対する懸念の中で交代することになった。
シュナイダー氏は在任中、ネスレの歴史的な組織再編を監督し、執行役員会を新しい地理的構造に整えた。業界全体に影響を与えたサプライチェーンの課題にもかかわらず、シュナイダーはネスレの営業利益率を16.5％から17.3％に成長させることに成功し、2023年までの7年間で営業利益率の成長を維持できなかったライバルを凌駕した。
しかし、ネスレの取締役会は、売上高の伸び悩みと製品開発への投資不足に対する懸念を強めていった。これらの問題は、ネスレの株価の下落によって浮き彫りになり、株価は2022年初頭のピークから約30％下落した。シュナイダーのリーダーシップにより、同社の株価は129.5スイスフラン（152.73ドル）と過去最高を記録したが、ここ数年は形勢が逆転している。
ネスレの価格戦略は消費者を遠ざけ、パンデミック（世界的大流行）で得た勢いを失わせる一因になったとの批判に直面したのだ。バークレイズが分析したニールセンのデータによると、ネスレの食料品店における市場シェアはヨーロッパで急落し、アメリカでは苦戦を強いられた。
シュナイダーCEOは7月の決算発表後最後の電話会見で、2022年のサプライチェーンの制約が同社のイノベーション重視の姿勢に影響を及ぼし、それが不注意にもプライベートブランド商品に優位性を与えた可能性があることを認めた。
これは、プライベートブランドによる競合の脅威を軽視していた同氏の以前の姿勢からの転換を意味する。
ネスレで40年のキャリアを持つローラン・フレイシェがCEOに就任した。フレイシェ氏はネスレ社内でマーケティングに携わってきた経歴を持ち、買収よりも有機的成長を優先させることを公約に掲げている。彼の豊富な経験と業界内のネットワークにより、ネスレは市場シェアの回復と製品ラインナップの活性化に向けて舵を切ることが期待されている。
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