本日の市場開始前、世界最大の半導体受託製造企業である台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング（TSMC）が好調な売上予想を発表したことを受け、米国の半導体株が上昇しました。
TSMCの予測には、年間収益成長率の上方修正が含まれており、特に人工知能（AI）チップの売上が寄与するとしています。同社は、AIチップが今年の総収益の10%台半ばを占めると予想しています。
先進的なAIチップ生産の主要プレイヤーであるTSMCの楽観的な見通しは、半導体業界への信頼を高めました。特に、過去2年間で市場価値が大幅に増加した企業にとって好材料となっています。この成長は、主要テクノロジー企業によるチップへの支出増加に牽引されています。
時間外取引では、TSMCの米国上場株が7%上昇し、この上昇が通常取引時間中も維持されれば、同社の時価総額が1兆ドルを超える可能性があります。このニュースは、業界内の他の企業にも波及効果をもたらしています。
主要AIチップ企業でTSMCの顧客でもあるNvidia（NASDAQ:NVDA）と、その競合企業であるアドバンスト・マイクロ・デバイセズ（NASDAQ:AMD）の株価は、ともに2%以上上昇しました。ブロードコム（NASDAQ:AVGO）、クアルコム（NASDAQ:QCOM）、マイクロンテクノロジー（NASDAQ:MU）など、他の業界プレイヤーの株価も1.5%から3%の上昇を見せました。
課題に直面し、現在TSMCと先進的な受託製造で競争するためにチップ製造能力を拡大しているインテル（NASDAQ:INTC）の株価もわずかに上昇しました。アナリストは、インテルがTSMCに追いつくには数年かかるとみています。
TSMCの見通しに対する楽観論は、チップ製造装置大手のASMLが予想を下方修正したことで、特にAI以外の用途における半導体需要の回復が遅れるのではないかという懸念を抱いていた投資家にとっても安堵材料となりました。
今年に入ってからTSMCの米国上場株は80%以上上昇し、Nvidiaの株価は2倍以上になっており、テクノロジーインフラの重要な構成要素である半導体株に対する投資家の強い関心を反映しています。
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