Investing.com -- 英国の酒類大手Diageo Plcが、かつて音楽界の大物ショーン・"ディディ"・コムズと関連していたシロック・ウォッカブランドの売却を検討していると、Bloombergが報じた。同社は飲料会社や投資ファンドなど潜在的な買い手に接触し、関心を探っているという。ただし、これらの検討は初期段階であり、取引に至らない可能性もある。
Diageoによるシロックの売却検討は、1月にコムズとの訴訟が解決したことを受けてのものだ。コムズは、Diageoがシロック・ウォッカと別のリキュールブランドであるデレオン・テキーラを軽視していると主張し、人種的偏見を理由に訴えを起こしていた。その後、コムズは訴えを取り下げ、ビジネス関係は終了した。
Diageoは今回の売却の可能性についてコメントを控えている。ジョニーウォーカーウイスキーも所有する同社は、戦略的なポートフォリオ管理の一環として資産売却を進めている。7月には、パンペロ・ラムとサファリ・フレーバーリキュールの売却に合意している。
同社は過去1年間、中国における高級スピリッツ需要の減速や、米州の大部分での販売不振など、課題に直面している。この減速は、昨年就任したデブラ・クルーCEOにとって困難をもたらしている。Diageoの6月期の純売上高は1.4%減少し、ロンドン市場での株価は今年約12%下落している。
シロックの売却は、コムズとの過去の関係や売上高の減少により複雑化する可能性がある。Diageoの年次報告書によると、6月期の北米におけるシロックの純売上高は28%減少した。しかし、ナイトクラブでの強い存在感は、ターンアラウンドの可能性を見出す一部の入札者を引き付ける可能性がある。
Diageoは、シロックに加えて、SmirnoffやKetel Oneなど他のウォッカブランドも所有している。
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