エアークローゼット:月額制ファッションレンタルサービス運営、今期黒字転換からの再成長フェーズへ

発行済 2025-01-08 12:20
更新済 2025-01-08 12:30
© Reuters.
*12:20JST エアークローゼット:月額制ファッションレンタルサービス運営、今期黒字転換からの再成長フェーズへ エアークローゼット (TYO:9557)は、主力のairCloset事業に加え、循環型物流プラットフォームの強みを活かしたairCloset Mall事業(以下、「MALL事業」)・ToB事業を展開している。


airCloset事業(売上高に対して87%)は、スタイリストが選んだ洋服が届く月額制ファッションレンタルサービス「airCloset」を提供。
ユーザーは、自らの好みやサイズ等を登録した上でパーソナライズされたレンタルアイテムを受け取り、返却期限やクリーニングを気にすることなく楽しんだ後に返却するシンプルなサービスである。
気に入った洋服は買取りが可能となる。
また、循環型プラットフォームを構築するため、創業時から社内に物流専門チームを設置しており、協力会社と共に専用物流倉庫/専用クリーニング工場による独自システムや独自オペレーションを構築している。
ユーザーは30代後半~50代前半を中心に、働いている女性が90%程度を占め、月額料金プラン(7,980~13,980円の3つのプラン)でストック収益が積み上がっている。
2025年6月期第1四半期時点で累計の無料会員数は130万人を超え、有料会員は37,875人、利用期間6ヶ月超利用者(ロイヤルユーザー)の月次継続率は継続して94%を超えている。
顧客満足度を上昇させるために絶えずサービス品質の改善を実施しており、初回継続率およびそれ以降の継続率が前期と比較して右肩上がりに改善できている。


その他事業(MALL事業とToB事業)は売上高に対して13%程度占めている。
MALL事業は家具・家電を購入前にレンタルできるメーカー様公認の月額制レンタルモール「airCloset Mall」を運営し、男性も含む顧客層の拡大やファッション以外のレンタルによるレンタル文化の醸成を図っている。
また、複数商品間における嗜好性等のデータ収集も可能になる。
ToB事業では循環型物流プラットフォームを外部向けに提供している。
循環型物流プラットフォームを、自社利用だけでなく、既にレンタルサービスにおける受託が2件、店頭試着等でわずかに汚れや傷が付いた傷物商品等の再商品化業務を1件受託している。
どちらも今後の売上・利益の増加を計画している。


2025年6月期第1四半期の売上高は前年同期比20.5%増の1,145百万円、営業利益は同8.4倍の65百万円で着地した。
airCloset事業ではサービス改善に伴い継続率が良化し、会員数が堅調に推移。
売上、各損益が会社想定を上回って着地しており、丸井における体験型店舗での顧客接点拡大施策やアウターレンタルオプションのテストなど、今後の成長に向けた動きも継続している。
プラットフォームではユナイテッドアローズの傷物商品等の再商品化業務を受託開始。
通期の売上高は前期比14.3%増の4,818百万円、営業利益は32百万円の黒字転換見通し。
既に通期の営業利益予想を大きく超過しているものの、投資による費用増も見込むため、現時点では通期計画を変更していない。


2025年6月期は全社の黒字化を図りつつ、事業拡大につながる施策群に注力している。
プラットフォーム活用を含む事業規模の拡大、分散している機能の集約によるオペレーションコストの改善に向けて、倉庫の移転拡張を決定している。
競合となるサービスは国内外で複数存在するが、同社は働く女性に特化・スタイリストが服を選んでくれる点・月額料金などしっかりと差別化を図れている。
対象ユーザーは国内の25~49歳までの女性人口と就業率77.4%で絞っても9,676千人とまだまだ顧客獲得余地が広がっている。
airCloset Mall等ファッション市場以外の領域も含めると、全社的に成長余地が残る。
売上拡大の源泉となる月額会員数、事業の収益性をはかる指標としての一人当たり限界利益については引き続き重要経営指標として管理し、まずは売上高10,000百万円の達成を目指している。
そのほか、株主優待制度の導入を発表しており、300 株以上かつ6ヶ月以上継続保有している株主に対して「airCloset」の月額会費 1 ヶ月無料クーポンを贈呈。
主力のairCloset事業の底堅い成長に加えてMALL事業やToB事業への期待感、今期黒字転換見通しからの再成長局面入りで今後の動向には注目しておきたい。


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