19日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開を予想したい。
アジアで株安を背景に円買いが進んだものの、ドルの押し目買いで小幅に値を戻す見通し。
ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)によるハト派寄りの政策決定を見込んだドル売りの基調は続きそうだ。
英国のメイ政権は20日までにブレグジットの修正合意案を議会に提出する構えをみせているが、議会側が同じ内容での採決は困難との見解を示しており、合意なき欧州連合(EU)離脱の可能性が再浮上。
前日の海外市場でポンド・円の下げがドル・円を下押した。
議会採決を控え緊迫感が広がるなか、本日のアジア市場では日本株と中国株が上昇する場面はあったが、いずれも下げに転じており市場センチメントの悪化を反映した。
ドル・円は111円台前半で引き続き国内勢を中心とした押し目買いが観測されたものの、午前中に付けた111円10銭台からの戻りのペースは緩慢だ。
今晩の取引では、本日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)で、FRBが目先の金融政策について慎重な見解を示すとの思惑から、ドルは主要通貨に対して売られやすい地合いが続きそうだ。
そうしたなか、23時発表の米国の1月製造業受注は、前月のプラス転換後伸び拡大が予想されており、ある程度ドルの下げ渋りにつながる可能性もある。
(吉池 威)【今日の欧米市場の予定】・18:30 英・11-1月ILO失業率(予想:4.0%、10-12月:4.0%)・19:00 独・3月ZEW景気期待指数(予想:-11.0、2月:-13.4)・23:00 米・1月製造業受注(前月比予想:+0.3%、12月:+0.1%)・23:00 米・1月耐久財受注改定値(前月比予想:+0.4%、速報値:+0.4%)・米連邦公開市場委員会(FOMC)(20日まで)