今日の欧米外為市場では、ドル・円は心理的節目の100円付近で売り買いが交錯しそうだ。
ポンド安に歯止めがかかっていないことによるリスク回避的な円買いが続くなか、日本の通貨当局は為替介入に踏み切れないとの見方が根強く、ドルは短期的に100円を割り込む可能性はあろう。
ただ、欧米市場では買い戻しが見込まれ、99円台は短期的とみる。
4日に発表された英・6月建設業PMIや5日の6月サービス業PMIには英国の欧州連合(EU)離脱の影響はまだ含まれていないが、いずれも低調な内容となった。
こうした経済指標により市場心理が悪化し、前日海外市場で強まったリスク回避的な円買いは6日のアジア市場で増幅。
ドル・円は株安を巻き込んで一時100円台半ばまで水準を切り下げた。
足元では英国の実体経済や金融政策を起点とするリスク回避的な円買いに歯止めをかける手がかりは見当たらず、円に買いが集まりやすい地合いとなっている。
今晩は引き続きポンドの下値が警戒されるほか、日本時間7日午前3時発表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月14-15日会合分)が材料視されそうだ。
米利上げ観測の大幅な後退でドル売り・円買いに振れる場面があるかもしれない。
ドルが99円02銭まで急落した6月24日の取引同様、今回の円高局面でも日本の通貨当局による為替介入は想定しにくく、仕掛け的な円買いは入りやすいだろう。
一方で、値ごろ感によるドルの買い戻しが強まる可能性もあり、結果的に100円台は維持されると予想する。
【今日の欧米市場の予定】
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-2.6%)
・21:30 米・5月貿易収支(予想:-400億米ドル、4月:-374億米ドル)
・21:30 カナダ・5月貿易収支(予想:-27.0億加ドル、4月:-29.4億加ドル)
・22:00 タルーロ米連邦準備理事会(FRB)理事講演(規制と金融政策)
・22:45 米・6月サービス業PMI改定値(予想:51.3、速報値:51.3)
・23:00 米・6月ISM非製造業景況指数(総合)(予想:53.3、5月:52.9)
・03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月14-15日会合分)