[フランクフルト 27日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が27日発表した統計によると、ユーロ圏の企業向け銀行融資は3カ月連続で減速した。金利の上昇、景気悪化、銀行の慎重姿勢が影響しているもようだ。
1月の企業向け融資は前年比6.1%増加、家計向け融資は同3.6%増加。いずれも前月(6.3%増、3.8%増)から減速した。
前月比で企業向け融資は20億ユーロ増加。前月の250億ユーロ減から回復した。
ECBの調査では、銀行は昨年第4・四半期に融資基準を10年前の欧州債務危機以来最も厳しくし、今年1─3月に一段の厳格化を見込んでいる。
1月のマネーサプライM3の前年比伸び率は3.5%で前月の4.1%から低下。ロイターがまとめたエコノミスト予想(3.9%)を大きく下回った。
市中に流通する通貨と翌日物預金の合計で将来の活動の先行指標とされるM1の伸び率は0.7%減で初めてマイナスとなった。
INGのエコノミスト、バート・コリジン氏は「金融引き締めがマネーサプライと民間借り入れに明確な影響を及ぼしている。23年の経済成長とインフレを抑制するとみられる」と述べ、欧州中央銀行(ECB)の利上げサイクルの今年の経済への下押し効果は過小評価されているとの見方を示した。