以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家染谷エツ子氏(ブログ「えつこのFX日記~FXで家計にゆとりを~」を運営)が執筆したコメントです。
フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2017年12月21日11時に執筆
2018年のトレードの対策
ドル円を動かしているもの
日経225は現在、東京証券取引所第一部に上場する約2000銘柄の株式のうち225銘柄を対象に採用銘柄の単純平均株価を採用しています。
米国10年債券利回り(長期金利)については、利回りが上昇しているということは、投資家がアメリカの国債を売っている事を意味しています。
そして、「安全資産」のアメリカの国債が売られているということは、投資家が世界経済の先行きに対して安堵感を持っている可能性が高いという見方もできます。
アメリカの国債利回りが下降しているということは、投資家がアメリカの国債を購入している事を意味しています。
そして、他の金融資産と比べ、利子による利益に魅力の無い国債を好んで購入しているということは、投資家達が世界経済の先行きに対して不安を感じていることが分かります。
日経225や米国10年債券利回り(長期金利)は、リスク選好だと買われる傾向にあり、リスク回避だと売られる傾向にあります。
ドル円は、日経225や米国10年債券利回り(長期金利)の動きに追随した動きをしています。
ですので、日経225や米国10年債券利回り(長期金利)を見ながら、ドル円の動きを予想することが2018年も重要ではないかと思います。
アメリカとイギリスとユーロ
利上げに肯定的で、2018年も数回の利上げの可能性を発表しているのは、アメリカです。
これは、ドルにとってはポジティブ(ドル買い)な状況です。
イギリスも利上げには肯定的でしたが、2017年11月に利上げが行われた後、ポンドは買われずに売られました。
EU離脱に関して、クリアされていない問題が表面化した後だったからとの声もあります。
EU離脱に関してイギリスとEUが解決しなければならない問題は、400億~600億ユーロの離脱清算金とEU市民の権利保障、そして最後の最後まで残ったのがアイルランドと北アイルランドの国境問題でした。
このアイルランドと北アイルランドの国境問題は、「レギュラトリー・アライメント(規制上の調整)」が解決の糸口となることが期待されています。
2018年はこれらのことに関して報じられると、ポンドが大きく反応すると思われますが、EU離脱交渉は簡単に合意されないとの見方が強く、ポンドはネガティブ(ポンド売り)な状態となっています。
ユーロに関しても、EU離脱交渉は多少影響がありますが、一番の材料は金融政策の金融の量的緩和策(QE)がいつまで続くのか、利上げの予定はいつになるのかに注目が集まっています。
2017年10月に、ECBは2018年の1月から、現在月額600億ユーロとしている債券買い入れの規模を、月額300億ユーロに半減することを発表しましたが、ドラギ総裁は今回の決定について「テーパリング(QEの段階的縮小)ではない。
単なる小規模化だ」と述べました。
QE縮小ではないということで、QEを奨励した形になり、緩和が行われる通貨は売られますので、ユーロが一時的に売られました。
年末にかけては、値を戻しています。
ユーロはどちらかというと利上げには程遠い状況ですが、ネガティブ(ユーロ売り)というよりは、大きな範囲でのレンジ相場のような動きとなっています。
これらの内容からしても、しっかりとポジティブなのはドル、ネガティブなのはポンド、どちらでもないのがユーロと位置づけられます。
カナダとオーストラリアとニュージーランド
資源国通貨が偶然同じように景気の先行きが明るい状態となっています。
まずはカナダですが、2017年10月以降、指標発表結果も軒並み良く、雇用も小売りも伸びています。
また、四半期GDPも伸び率がよく、今後の利上げに対しても慎重姿勢を保ちつつ、前向きな発言がありました。
アメリカとのエネルギーのパイプラインの建設にトランプ大統領が署名してからは、景気の良くなる兆しが大変強くなりました。
オーストラリアは、2015年、2016年と低迷気味だった中国経済が、2017年半ばから回復の兆しを見せてからは、上昇傾向にあります。
指標発表も予想通りや予想を上回ることが多く、政策金利がメジャー通貨の中で比較的高い位置で安定しているのも豪ドル買いの要因となっています。
ニュージーランドも政策金利の高さと、オーストラリアの経済に大きく影響を受けることから、NZドル買いの要因となっています。
資源国は全体的に景気が良く、上昇傾向にありましたが、これは2018年も続くと予想できます。
2018年の予想
2018年に一番気を付けないといけないのは、北朝鮮問題です。
2017年12月21日に、英国テレグラフ紙は、米国が北朝鮮に対して、核兵器開発を止めるため先制攻撃の準備をしていると報じました。
新たなミサイル実験の前に、ミサイル発射台や軍事備蓄品倉庫への攻撃を考えているという内容でした。
2017年は北朝鮮のミサイル発射の度に相場がリスク回避に動いていましたが、2018年も引き続き相場を動かす可能性があります。
これらの軍事行動が起こると、相場はリスク回避の動きとなりますが、紛争が始まる地域は日本の隣ですので、地理学的要因から単純にリスク回避の円買いとなるかは疑問です。
大きな円買いとなっても、絶えず相場を観察することが必要となると思います。
政策金利や経済状況だけで考えると、比較的ポジティブな通貨はドル、カナダドル、豪ドル、NZドルであるとみています。
一方で、比較的ネガティブな通貨は、ポンドやユーロとなっています。
特にEU離脱問題は、EUでイギリスの離脱交渉を取り仕切るバルニエ首席交渉官は、移行期間は2020年までと限定するべきとの考えを示しました。
まだ数年はこの問題でポンドがネガティブになると予想しています。
今の時点では以上の内容が具体的な材料となります。
ですが毎年、年が変わると注目されるファンダメンタルのニュースも変わってきますので、日々のニュースのチェックとともに、新たな材料を見つけ出せるように注意しておくことは大切ではないかと思います。
また、仮想通貨が今年は大きく金額を膨らませましたが、FXが流行り始めた時も、最初は相場は一方通行で上昇しました。
そのあと、2008年にサブプライムショックで相場が大きく下落しましたし、その時に資産を大きく失った方も多くいらっしゃいます。
NYダウは2009年からずっと上昇を続けてはいますが、仮想通貨の一方通行の上昇が永遠に続くと思うのは非常に危険だと思います。
必ず動きを観察しながら、今の動きの要因を分析することは必要ではないのかと思います。
2018年のチャートの動きの注意点
2017年によく見られた動きは、指標発表や要人発言の後の、ローソク足1本分の動きでした。
このローソク足1本分の動きで飛びつき買いをして、あっという間に損をしてしまいましたというメールを沢山いただきました。
2017年6月に「サインの確定」を説明させていただきましたが、2018年も、引き続き「サインの確定」の判断をしっかりと意識して頂きたいと思います。
例えば、指標発表後にローソク足が上昇したら、指標発表があった時間のローソク足の、次のローソク足が、指標発表があった時間のローソク足の高値を越えたところで、「しっかり上昇する」と判断できます。
指標発表があった時間のローソク足の、次のローソク足が、指標発表があった時間のローソク足の安値を越えたところで、「しっかり下降する」と判断できます。
この「サインの確定」の判断は、要人発言があった時も、急なニュースが報じられた時も、当てはまります。
「サインの確定」を判断することで、損を最大限に抑えることが出来るのではないかと思います。
損をする回数を減らす事が出来ますので、利益が増えているという結果にすぐに結びつくのではないかと思います。
むやみやたらに損を増やして大切な資金を失ってしまう事の無いように、是非意識されて下さい。
今回の記事が少しでもお役に立つことが出来ましたら、私としましても大変有難い事です。
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執筆者名:染谷エツ子
ブログ名:えつこのFX日記~FXで家計にゆとりを~
フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2017年12月21日11時に執筆
2018年のトレードの対策
ドル円を動かしているもの
日経225は現在、東京証券取引所第一部に上場する約2000銘柄の株式のうち225銘柄を対象に採用銘柄の単純平均株価を採用しています。
米国10年債券利回り(長期金利)については、利回りが上昇しているということは、投資家がアメリカの国債を売っている事を意味しています。
そして、「安全資産」のアメリカの国債が売られているということは、投資家が世界経済の先行きに対して安堵感を持っている可能性が高いという見方もできます。
アメリカの国債利回りが下降しているということは、投資家がアメリカの国債を購入している事を意味しています。
そして、他の金融資産と比べ、利子による利益に魅力の無い国債を好んで購入しているということは、投資家達が世界経済の先行きに対して不安を感じていることが分かります。
日経225や米国10年債券利回り(長期金利)は、リスク選好だと買われる傾向にあり、リスク回避だと売られる傾向にあります。
ドル円は、日経225や米国10年債券利回り(長期金利)の動きに追随した動きをしています。
ですので、日経225や米国10年債券利回り(長期金利)を見ながら、ドル円の動きを予想することが2018年も重要ではないかと思います。
アメリカとイギリスとユーロ
利上げに肯定的で、2018年も数回の利上げの可能性を発表しているのは、アメリカです。
これは、ドルにとってはポジティブ(ドル買い)な状況です。
イギリスも利上げには肯定的でしたが、2017年11月に利上げが行われた後、ポンドは買われずに売られました。
EU離脱に関して、クリアされていない問題が表面化した後だったからとの声もあります。
EU離脱に関してイギリスとEUが解決しなければならない問題は、400億~600億ユーロの離脱清算金とEU市民の権利保障、そして最後の最後まで残ったのがアイルランドと北アイルランドの国境問題でした。
このアイルランドと北アイルランドの国境問題は、「レギュラトリー・アライメント(規制上の調整)」が解決の糸口となることが期待されています。
2018年はこれらのことに関して報じられると、ポンドが大きく反応すると思われますが、EU離脱交渉は簡単に合意されないとの見方が強く、ポンドはネガティブ(ポンド売り)な状態となっています。
ユーロに関しても、EU離脱交渉は多少影響がありますが、一番の材料は金融政策の金融の量的緩和策(QE)がいつまで続くのか、利上げの予定はいつになるのかに注目が集まっています。
2017年10月に、ECBは2018年の1月から、現在月額600億ユーロとしている債券買い入れの規模を、月額300億ユーロに半減することを発表しましたが、ドラギ総裁は今回の決定について「テーパリング(QEの段階的縮小)ではない。
単なる小規模化だ」と述べました。
QE縮小ではないということで、QEを奨励した形になり、緩和が行われる通貨は売られますので、ユーロが一時的に売られました。
年末にかけては、値を戻しています。
ユーロはどちらかというと利上げには程遠い状況ですが、ネガティブ(ユーロ売り)というよりは、大きな範囲でのレンジ相場のような動きとなっています。
これらの内容からしても、しっかりとポジティブなのはドル、ネガティブなのはポンド、どちらでもないのがユーロと位置づけられます。
カナダとオーストラリアとニュージーランド
資源国通貨が偶然同じように景気の先行きが明るい状態となっています。
まずはカナダですが、2017年10月以降、指標発表結果も軒並み良く、雇用も小売りも伸びています。
また、四半期GDPも伸び率がよく、今後の利上げに対しても慎重姿勢を保ちつつ、前向きな発言がありました。
アメリカとのエネルギーのパイプラインの建設にトランプ大統領が署名してからは、景気の良くなる兆しが大変強くなりました。
オーストラリアは、2015年、2016年と低迷気味だった中国経済が、2017年半ばから回復の兆しを見せてからは、上昇傾向にあります。
指標発表も予想通りや予想を上回ることが多く、政策金利がメジャー通貨の中で比較的高い位置で安定しているのも豪ドル買いの要因となっています。
ニュージーランドも政策金利の高さと、オーストラリアの経済に大きく影響を受けることから、NZドル買いの要因となっています。
資源国は全体的に景気が良く、上昇傾向にありましたが、これは2018年も続くと予想できます。
2018年の予想
2018年に一番気を付けないといけないのは、北朝鮮問題です。
2017年12月21日に、英国テレグラフ紙は、米国が北朝鮮に対して、核兵器開発を止めるため先制攻撃の準備をしていると報じました。
新たなミサイル実験の前に、ミサイル発射台や軍事備蓄品倉庫への攻撃を考えているという内容でした。
2017年は北朝鮮のミサイル発射の度に相場がリスク回避に動いていましたが、2018年も引き続き相場を動かす可能性があります。
これらの軍事行動が起こると、相場はリスク回避の動きとなりますが、紛争が始まる地域は日本の隣ですので、地理学的要因から単純にリスク回避の円買いとなるかは疑問です。
大きな円買いとなっても、絶えず相場を観察することが必要となると思います。
政策金利や経済状況だけで考えると、比較的ポジティブな通貨はドル、カナダドル、豪ドル、NZドルであるとみています。
一方で、比較的ネガティブな通貨は、ポンドやユーロとなっています。
特にEU離脱問題は、EUでイギリスの離脱交渉を取り仕切るバルニエ首席交渉官は、移行期間は2020年までと限定するべきとの考えを示しました。
まだ数年はこの問題でポンドがネガティブになると予想しています。
今の時点では以上の内容が具体的な材料となります。
ですが毎年、年が変わると注目されるファンダメンタルのニュースも変わってきますので、日々のニュースのチェックとともに、新たな材料を見つけ出せるように注意しておくことは大切ではないかと思います。
また、仮想通貨が今年は大きく金額を膨らませましたが、FXが流行り始めた時も、最初は相場は一方通行で上昇しました。
そのあと、2008年にサブプライムショックで相場が大きく下落しましたし、その時に資産を大きく失った方も多くいらっしゃいます。
NYダウは2009年からずっと上昇を続けてはいますが、仮想通貨の一方通行の上昇が永遠に続くと思うのは非常に危険だと思います。
必ず動きを観察しながら、今の動きの要因を分析することは必要ではないのかと思います。
2018年のチャートの動きの注意点
2017年によく見られた動きは、指標発表や要人発言の後の、ローソク足1本分の動きでした。
このローソク足1本分の動きで飛びつき買いをして、あっという間に損をしてしまいましたというメールを沢山いただきました。
2017年6月に「サインの確定」を説明させていただきましたが、2018年も、引き続き「サインの確定」の判断をしっかりと意識して頂きたいと思います。
例えば、指標発表後にローソク足が上昇したら、指標発表があった時間のローソク足の、次のローソク足が、指標発表があった時間のローソク足の高値を越えたところで、「しっかり上昇する」と判断できます。
指標発表があった時間のローソク足の、次のローソク足が、指標発表があった時間のローソク足の安値を越えたところで、「しっかり下降する」と判断できます。
この「サインの確定」の判断は、要人発言があった時も、急なニュースが報じられた時も、当てはまります。
「サインの確定」を判断することで、損を最大限に抑えることが出来るのではないかと思います。
損をする回数を減らす事が出来ますので、利益が増えているという結果にすぐに結びつくのではないかと思います。
むやみやたらに損を増やして大切な資金を失ってしまう事の無いように、是非意識されて下さい。
今回の記事が少しでもお役に立つことが出来ましたら、私としましても大変有難い事です。
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執筆者名:染谷エツ子
ブログ名:えつこのFX日記~FXで家計にゆとりを~