[パリ 31日 ロイター] - ロシア国営ガス会社ガスプロムは7月のガス代金が全額支払われなかったとして、9月1日からフランスのエネルギー大手エンジーに対する供給を完全に停止する構えを見せている。
ロシア側は欧州に天然ガスを送る主要パイプライン「ノルドストリーム1」経由の供給を保守作業を理由に31日から3日間停止しており、冬のエネルギー不足が懸念されている。
パリの業界筋によると、エンジーはここ数週間のガス供給量の減少分を支払いから差し引いたという。差し引いた金額は明かさなかった。
フランス最大の家庭・企業向けガス供給会社であるエンジーによると、同社のガス輸入量に占めるロシア産の割合はウクライナ侵攻前の17%から4%未満に低下。ロシアからのガス供給が停止する可能性に備えて、調達先の多様化を図ったとしている。
フランスのパニエリュナシェ・エネルギー移行相は31日、「予想通り、ロシアはガスを戦争の武器として使っており、フランスへの供給をさらに減らすための口実としてエンジーの契約適用方法を利用している」と批判した。