[上海 17日 ロイター] - 新型コロナウイルスの感染拡大でロックダウン(都市封鎖)を行っている中国・上海市は、隔離区域外での感染拡大を20日までに封じ込める目標を設定した。事情に詳しい関係筋が明らかにした。住民の不満が高まる中、封鎖を緩和し、市民生活の正常化につなげたい考えだ。
ロイターは、上海の共産党幹部による16日の演説の写しを確認。それによると、目標達成には、検査や陽性者の隔離施設への移動を加速することが必要になるという。
関係筋によれば、20日までに隔離区域外の新規感染者をゼロにする上海の新たな目標は、同市の共産党幹部や学校などの組織にここ数日に伝えられた。
同市宝山区の共産党幹部は16日の演説でこの目標について、住民の不安の高まりや食料供給の逼迫を受け、市の状況が「重大な局面」に達したため出された命令だと説明。
「国務院作業グループ、市の共産党委員会、市政府は、感染の転換点が17日に現れ、20日までにゼロコロナに到達するよう求めた」と述べた。
上海の保健当局者によると、16日に市内で報告された新規感染者2万3643人のうち隔離区域外で確認されたのは722人。ここ2日で数字は低下しているという。
こうした中、上海当局は16日、企業の生産再開に必要な措置について指針を提示。医療物資の備蓄や工場の感染予防計画の提出が必要になるとした。