[ワシントン 20日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は23日、大手銀行に対するストレステスト(健全性審査)の結果を公表する。大手行は「合格」のお墨付きをもらい、株主に配当や自社株買いを通じて余剰資本を還元する計画が認められるだろうと楽観視している。
業界幹部やアナリストに話を聞くと、大手行は今年のストレステストに関して十分対応できる状況にある。新型コロナウイルスのパンデミックが経済にもたらす重圧が和らぎ、銀行がこれまでにテストを乗り切るすべを身に着けてきたという面があるからだ。
バークレイズのアナリストチームは16日、「全ての対象行が合格するはずだ。われわれはほぼ全行が今年と来年の配当を増やすと予想している」と記した。
昨年のテストでは、深刻な経済悪化に伴って大手行が被る損失は合計4740億ドルに上る一方、それに備える資本バッファーもFRBのルールで必要とされる水準の2倍強あると判断された。今年はより厳しい経済環境の想定に基づき、資本バッファーの基準もやや引き上げられたとみられる。FRBの「深刻な逆風」シナリオでは、例えば失業率は5.75%と、昨年の4%から大きく引き上げた。
クレディ・スイスのアナリストチームは、ストレスの度合いが高まるかもしれず、平均的な資本バッファー比率は昨年の3.2%から3.3%に切り上がったとみているが、各行はこれに対処できるほど潤沢な余剰資本を積んでいるのは間違いないと指摘した。
ウェルズ・ファーゴのサントマッシモ最高財務責任者(CFO)は先週、投資家やアナリストに対して「所与のシナリオを踏まえると、当行が(求められる)資本バッファーが増える可能性はある。われわれはそれにうまく対処できる態勢にある」と語った。