Neil Jerome Morales
[マニラ 9日 ロイター] - フィリピン統計局が9日発表した第1・四半期国内総生産(GDP)は前年比5.7%増加した。昨年第4・四半期(5.5%増)から伸びが加速したが、ロイターがまとめたエコノミストの予想(5.9%増)には届かなかった。
個人消費の低迷が成長を抑制した。インフレ率は上昇しているものの、中央銀行が来週の会合で金利を据え置くとの見方が強まった。
季節調整済み前期比では1.3%増。昨年第4・四半期(2.1%増)から減速したが、エコノミスト予想(1.0%増)は上回った。
国家経済開発庁のバリサカン長官は、電子製品の出荷回復を背景に輸出が力強く持ち直していると指摘。引き続き成長について楽観的に見ていると述べた。
会見で「国内外で課題があるものの、経済は耐性を持ち成長を続けている」と述べた。輸出の伸びを踏まえ、今年の政府成長率目標6.0─7.0%は達成可能との見方を示した。
一方、キャピタル・エコノミクスは、2024年の成長率予測を5.5%に維持。予想される世界的な景気減速が輸出需要を押し下げ、個人消費の主要な原動力である海外在住フィリピン人労働者からの送金を減少させる可能性があると指摘した。
インフレ率は4月に3カ月連続で加速し、引き続き内需の重しとなっている。内需は第1・四半期は4.6%増と、4.8%縮小した21年第1・四半期以来で最も弱い。
輸出は9.5%増と22年第4・四半期以来の高い伸びだった。
セキュリティー・バンクのチーフエコノミスト、ロバート・ダン・ロセス氏はリポートで「内需の弱含みや、全体的に成長が緩やかであることを考慮すると、中銀が次回会合で政策金利を据え置く可能性が高い」と述べた。