[ウェリントン 19日 ロイター] - ニュージーランド政府は19日、2021/22年度(6月末まで)の財政赤字が従来予想より小幅になるとの見通しを示した。一方、所得支援の拡大や医療分野への大規模投資を発表し、黒字転換は想定より遅れる見込みとした。
21/22年度の財政赤字見通しは189億7800万NZドル(119億7000万ドル)とし、12月に示した予想(208億4400万NZドル)から引き下げた。ただ、黒字化の時期は従来予想より1年遅い24/25年度になる見込みとした。
22/23年度の純債務は、国際基準に合わせた新基準で国内総生産(GDP)比31.8%。
ウエストパックは、予算は良好な内容で、純債務は持続可能だとの認識を示した。
政府はインフレ対策として10億NZドル(6億3000万ドル)超を支出すると表明した。
インフレ率が30年ぶりの高水準に達する中、政府は家計への支援を拡充。ガソリン代や公共交通機関利用への補助金を延長したほか、中所得者向け支援の対象拡大を発表した。
学校新設などのインフラ構築や国防、医療分野にも大規模な支出を行う。政府文書によると、国防関連機関が21/22年度からの5年間で新しい設備に投じる額は59億NZドルと、従来見通しから40%超増額された。