[上海 20日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は20日、市場の予想通り、銀行貸し出しの新たな指標金利を小幅に引き下げた。借り入れコストを押し下げ、需要鈍化や貿易摩擦で打撃を受ける経済を支援する。
人民銀は、銀行の最優遇貸出金利であるローンプライムレート(LPR)の1年物
5年物
ロイターが19日に実施した調査では、64人が全員1年物LPRの引き下げを予想。5年物LPRの引き下げは37人が予想していた。
人民銀は18日、7日物リバースレポの金利を2.55%から2.50%に引き下げたほか、2週間前には1年物中期貸出ファシリティー(MLF)金利も5ベーシスポイント(bp)引き下げている。
ファウンダー・セキュリティーズのチーフエコノミスト、Yan Se氏は、1年物LPRの引き下げは今月実施された他の2つの銀行間金利の引き下げに続く措置で、借り入れコストを押し下げて景気を支援する人民銀の意向を反映しているとの見方を示した。
また、キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミスト、マーティン・リンジ・ラスムセン氏は「最近の金融緩和による景気支援効果はそれほど期待できない上、経済の逆風も強まっており、人民銀は今後数カ月で、より積極的な金利引き下げに動くだろう」と指摘した。
5年物LPRは住宅ローン金利の指標とされる。
OCBC銀行のグレーターチャイナ調査責任者、トミー・シェ氏は、5年物の引き下げについて、中国の全般的な緩和環境を反映していると指摘。「住宅市場に関する政策転換ではない」との見方を示した。
人民銀が公表した第3・四半期金融政策報告で、不動産市場の政策に関する文言がやや修正されたことから、同セクターの規制が幾分緩和されるのではとの憶測が浮上していた。
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