[ワシントン/モリスタウン(米ニュージャージー州) 9日 ロイター] - 米野党・民主党のペロシ下院議長とムニューシン財務長官は9日、政権と民主党指導部による追加の新型コロナウイルス経済対策を巡る協議の再開に前向きな姿勢を示し、一部の支援を年末まで延長する限定的な措置で合意する可能性に道を開いた。
追加対策を巡る与野党協議は数週間にわたって行われてきたが、7日に決裂。トランプ大統領は8日、7月末に失効した失業保険給付の上乗せなどの措置を復活させる大統領令に署名した。
民主党は、支援の規模が十分でないと主張しているほか、連邦政府の支出は議会に権限があるため、大統領令の合法性に疑念が生じている。
ただ、ペロシ議長とムニューシン長官は9日、一部の支援を年末まで延長した上で、11月の大統領選後となる来年1月にさらなる支援の必要性を再度検討することに前向きな姿勢をうかがわせた。
ムニューシン長官はFOXニュースのインタビューで「われわれが合意している内容に関する法案を通過させようではないか。一度に全てをまとめる必要はない。米国民のためにいま対策をまとめ、その後に追加の法案を検討するべきだ」と語った。
ペロシ氏はトランプ氏の大統領令について、違憲であり、米国民の迅速かつ直接的な支援につながらない「幻想」だと批判した。ただ、「FOXニュース・サンデー」に対し、議会民主党とホワイトハウスの合意は不可欠だと指摘。「われわれは今、合意する必要がある」とし、民主党は支援の規模をトランプ政権の案に近付けるため、提供期間を短縮することが可能だと述べた。
ペロシ氏は「対策の期間について協議し、来年9月末よりも前に短縮することは可能だ。いずれにしても来年には全てを再検討することになるだろう」と語った。
ムニューシン長官はこの案の検討に前向きとみられ、FOXで「彼らが新たな案を示せば、いつでも聞く用意がある」と述べた。
トランプ大統領も、ニュージャージー州で記者団に対し、ホワイトハウスは「時間の無駄にならなければ」、民主党と再び協議する用意があると語った。