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ブランディング Research Memo(2):中小・地方企業を対象にデジタルシフトを推進

発行済 2022-12-08 17:02
更新済 2022-12-08 17:30
© Reuters.
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■会社概要

1. 会社概要
ブランディングテクノロジー (TYO:7067)は、中小・地方企業を対象に、ブランディングやデジタルマーケティング、デジタルシフトを支援している。
電通グループ (TYO:4324)をはじめとする総合大手広告代理店や大手インターネット広告代理店も同様の事業を手掛けているが、上場企業など大手企業を対象に事業展開しており、中堅・中小企業や地方企業を顧客基盤とはしていないことが多い。
というのも、中小・地方企業は大手企業に比べて人材や資金の制約が多いことに加え、「ブランド」に対する認識が相対的に低い点が否めないからである。
したがって、中小・地方企業にブランディングなどを支援する際は、ブランドとは何かから始まり、ブランドを構築することの重要性を説き、ともにブランド戦略を練り上げ、ブランドが浸透するよう効率的なマーケティング戦略まで支援するなど、より丁寧できめ細かい作業が必要になる。
同社では、独自のデータベースから業界別に成功パターンを導き出しノウハウを体系化することで、これらの作業を収益化することに成功している。


2. 沿革
同社は2001年8月、歯科医院専門のポータルサイト「歯科タウンドットコム」の運営・販売を目的に「有限会社フリーセル」として設立された。
2006年4月には、Webコンサルティング事業に進出し、Webサイトの問題調査や原因分析、改善策の提案などのソリューションを提供するようになった。
これが、主軸のブランド事業の起源となる。
また、2006年から2007年にかけてグーグル(同)(米Google LLCの日本法人)及びヤフー(株)と代理店契約を締結し、広告代理店事業に進出した。
こちらは、現在のデジタルマーケティング事業につながっている。
2012年にWebサイト回りのソリューション(Webサイトの制作、保守、ソフトウェア開発)を目的に、ベトナムに子会社FREESALE VIETNAM CO.,LTD.(現VIETRY CO.,LTD.)を設立、2013年には(株)アザナを設立して沖縄でのマーケティング支援を本格化した。
2018年11月に商号を現社名のブランディングテクノロジー株式会社に変更し、2019年6月には東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場に上場、2022年4月からの東証市場再編に伴い東証グロース市場へ移行した。
なお、2022年10月、医療機関・医療関連ビジネスにおけるブランディング及びデジタルシフトに関する事業の移管を目的に、(株)シンフォニカルを設立した。


3. 事業環境
同社が主要事業領域としている国内インターネット広告市場は、総広告費が67,998億円(前年比10.4%増)と回復基調にあるが、なかでも「インターネット広告費」は27,052億円と、「マスコミ四媒体広告費」総計(24,538億円)を初めて上回った。
さらに、「インターネット広告費」から「インターネット広告制作費」及び「物販系ECプラットフォーム広告費」を除いた「インターネット広告媒体費」は、動画広告やソーシャル広告の伸びが成長をけん引し、21,571億円(同22.8%増)と大きく伸長した※。
一方、中堅・中小企業におけるデジタル化に対する優先度はコロナ禍により大きく高まっている。
デジタル化に積極的に取り組む文化が定着・醸成されつつあり、市場機会となっている。
実際、国内中小企業の生産性は米国中小企業の約6割にとどまっていることからも、DX化による生産性向上が急務である。
これらの結果、同社の事業環境は好調であると言える。


※出所:(株)電通「2021年日本の広告費」。



このような業界の先行きを予見してのことと弊社では予想しているが、インターネット広告業界の同社周辺で巨大企業による再編が起きている。
一例を挙げると、2021年6月にソフトバンク (TYO:9434)がイーエムネットジャパン (TYO:7036)をTOBによって子会社化した。
イーエムネットジャパンは主に中小企業をターゲットに運用型広告などを提供するインターネット広告代理店で、1人の担当者が営業から企画、分析、改善までワンストップで担う専任制に特長がある。
また、2022年5月には、博報堂DYホールディングス (TYO:2433)がソウルドアウト(株)を子会社化し、ソウルドアウトは上場廃止となった。
ソウルドアウトは中小・地方企業に特化してデジタル広告を提供しており、中小・地方企業の販売促進や経営課題への理解を強みとしている。
なお、これらの再編により、競合であるソウルドアウトやイーエムネットジャパンは親会社の業務補を請け負う可能性があり、市場での競争緩和につながることも考えられると弊社では予想している。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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