Xie Yu Engen Tham
[香港/上海 7日 ロイター] - 中国上海市は、中国から海外へのデータ転送を希望する外資系企業の承認手続きを加速する計画。4人の関係者が明らかにした。約1年前に中国当局が公表した厳格なデータ規制が緩和されることになる。
関係筋によると、上海市政府はここ数週間、欧米の銀行や資産運用会社など市内で事業展開する外資企業の代表者らと承認手続きの迅速化について協議した。
新型コロナ禍からの回復が遅れ、不動産市場の低迷や市場の混乱に直面する中、中国当局は海外からの投資誘致に力を入れている。
中国政府は2022年、国内業務に関連する全ての「重要な」データの海外移転について、中国国家インターネット情報弁公室(CAC)のセキュリティー審査通過を義務付ける規則を発表した。
これを受けて外資企業のデータ転送が遅れたり、新規制を巡り混乱や懸念が生じた。
各国の銀行や資産運用会社を代表する金融ロビー団体は、投資見通しやポートフォリオ分析、株式保有やマネーロンダリング(資金洗浄)対策などのデータについては海外への転送を認めるよう中国当局に働きかけてきた。
関係筋によると、上海市は同市の「自由貿易試験区」を活用することで外資企業の海外データ転送を認める可能性が高いという。
上海市が計画する承認制度はCACのデータ移転承認とは別となり、国内の他の地域で事業を行う外資企業には引き続きCACの承認制度が適用されるという。
関係筋によると、上海政府は今年中に独自の承認制度を導入する可能性が高い。