[ヘルシンキ 15日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのレーン・フィンランド中央銀行総裁は15日のパネル討論で、ECBが来週、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、9月にさらに50bp引き上げるとの公算を示した。ただ、ウクライナ情勢を巡る不確実性が高いことから、9月以降の金利の道筋は明瞭でないとした。
レーン総裁はパネル討論会で、ECBの責務が物価安定であることは明らかだとし、「ECBはこの責務に従って行動する。ユーロ加盟各国が自国の経済と経済政策に責任を持っていると強調したい」と述べた。
9月以降の金利の道筋については、ロシアによるウクライナ侵攻で欧州経済が再び打撃を受けるかに左右されると指摘。金融政策を徐々に正常化することでインフレを抑制できたとしても、エネルギー危機で景気後退が引き起こされる恐れがあると述べた。
ロイターがエコノミスト63人を対象に実施した調査では、1人を除き全員が、21日の理事会で中銀預金金利が25ベーシスポイント(bp)引き上げられると見方を示した。その後の動きについては、9月に50bp、10月と12月にそれぞれ25bpの利上げが実施されるとの見方が大勢だった。