[ロンドン 22日 ロイター] - 英国のスナク財務相は22日、新型コロナウイルスの感染再拡大で打撃を受ける事業への支援策を強化すると表明した。
同相は議会に対し、パートタイムで職場に復帰した従業員への給与支払いに対する補助金を拡大するほか、ホスピタリティーセクターの企業や個人事業主を対象にした支援を強化すると述べた。
同相が支援策を打ち出すのは過去1カ月で3度目。支援拡大に消極姿勢を示していたが、方針を転換した。
同相は「私は状況に応じて金融支援を調整する用意が必要と常に言ってきた。これらの変更で、より多くの人に支援が行き渡り、さらに多くの雇用が守られる」と語った。
その上で、経済は「甚大な圧力」に直面しており、雇用喪失は依然として続くと指摘した。
野党・労働党の「影の財務相」であるアンネリーズ・ドッズ氏は、政府の危機対応が後手に回っていると批判した。
雇用支援策と個人事業主やホスピタリティー業界向け支援策の規模は今後6カ月間で約130億ポンド(170億ドル)に達する可能性があり、雇用支援の拡充が約半分を占める。
今年度上期の政府の借り入れは2090億ポンドと、すでに新型コロナ危機前の6倍以上に膨らんでいる。
スナク財務相は、支援策を実施する際には長期的な財政に配慮する必要があるとの認識も示した。
「このような危機時には雇用を守るため積極的な行動を取ることが適切であり、結果的に長期にわたって経済を支援することにつながるだろうが、長期的な財政に目を配ることも正しい」と語った。
「このような対策を恒久的に続けることが不可能であることは明らかだ」とした。