ドル/円
午後3時現在 83.33/37 1.3634/36 113.62/67
正午現在 83.47/50 1.3635/37 113.84/87
午前9時現在 83.54/55 1.3656/60 114.08/13
NY17時現在 83.52/56 1.3641/45 113.78/82
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[東京 19日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点
に比べ若干ドル安の83円前半。日中は仲値公示にかけて、前日再上場された米自動車大
手ゼネラル・モーターズ(GM)
らのドル買いを受け、ドルが下支えされた。ただ、東京終盤に入って、ドルの上値は若干
重くなっている。
<GMのIPO関連のドル買い>
ドルは仲値付近で83.66円とこの日の高値をつけた。「仲値公示の1分前頃から、
ドル買いオーダーが市場につながれ始め、その勢いでドルがきょうの高値をつけた」(証
券会社)という。
18日にニューヨーク市場とトロント市場で新規株式公開(IPO)を行ったGMの初
値は、35ドルとなり、IPO価格の33.00ドルを上回った。 株価は一時9%値上
がりする場面もみられたものの、結局3.6%高の34.19ドルで取引を終えた。
GMは、既に201億ドルを調達している。IPOのアンダーライター各社がオーバー
アロットメント・オプションを全額行使した場合、調達額は最大で231億ドルに達し、
過去最大だった中国農業銀行<601288.SS>のIPOをしのぐ規模となる。 事情に詳しい筋
がロイターに伝えたところによると、GMは今回のIPOで20%(30億ドル超)を個
人投資家に割り当てたという。
<バーナンキ発言>
午後に入って、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が量的緩和政策を改めて擁
護したことで、米長期金利が低下し、ドルが買いにくくなったという。
米国債市場では、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受け、10年物
国債利回り
2.901%から低下した。
「バーナンキ議長の発言で、米国が引き続き長期金利の押し下げを促したいとの意図が
伝わった」(証券会社)という。「しかし、投資家の本音では、米国債を売って、株に乗
り換えたいという向きも多いだろう」(同)という。
バーナンキ議長は「米経済成長を支援する政策は、ドルを下支えする最善の方法で世界
経済の回復を支援する」と述べ、FRBの債券買い入れプログラムがドル相場を押し下げ
ているとの批判に反論し、量的緩和第2弾(QE2)政策を擁護した。
欧州中央銀行(ECB)で行われるコンファレンスでの準備原稿が事前に公開された。
市場では「今の市場の見方は、6000億ドルの米国債買い入れを実施するか、これを
縮小させるかの間で綱引きになっている。 しかし、バーナンキ議長がQE2を擁護し、
タカ派色のあった米ミネアポリス地区連銀のコチャラコタ総裁もQE2擁護にまわってい
るところをみると、少なくとも(縮小を期待して)ドルを買う地合いにはならない」(大
手銀行)と受け止められた。
米金利のイールドスプレッドがスティープニング、長めの金利が上昇したことが波紋を
呼んでいるが「10年債で3%を超えるような上昇にならなければ、バーナンキ議長にと
っては許容範囲ではないか。12月に入ると参加者が減る一方でFRBによる米債買い入
れは続き、米金利は上がりにくくなる」(大手銀行)という。
<ボラティリティは年末相場>
通貨オプション市場では、ドル/円のインプライド・ボラティリティ(予想変動率)が
1カ月物で9.90/10.30%の気配と、今年5月以来、約半年ぶりの低水準まで低
下した。同ボラティリティは週前半に11.8%付近まで上昇したが、週後半にかけて下
落傾向が顕著になっている。
「ボラティリティは昨日から10%を割り込む水準まで下げ、(市場は)完全に年末モ
ードに入っている」(外銀)という。「市場参加者の間では、ドルの下値リスクが後退し
たとの見方が広がっているが、どこまで上値をみるのかという点では見方が分かれている」
(同)という。
<ユーロ>
ユーロ/ドルは1.36ドル前半から半ばで小じっかり。 アイルランド中央銀行のホ
ノハン総裁は18日、アイルランドは欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)から数
百億ユーロ規模の融資を受ける可能性が高い、との見方を示した。
EUとIMFなどの合同チームは、アイルランドの銀行セクターを支援する緊急措置に
ついて、18日からダブリンで協議している。また、スペインの国債入札が前日、比較的
順調にこなされたこともあり、リスクセンチメントがやや改善し、ユーロ/ドルは前日、
1.3668ドルまで急上昇した。17日の海外安値(1.3460ドル)からは約
200ポイントの上昇になった。
ただ、10月以降下値のサポートだった1.37ドル前後の水準をいったんクリアに割
り込んだことで、逆に1.37ドル水準での上値抵抗が強まる可能性もあり、「海外での
ユーロの反応は過剰に楽観的」(国内金融機関)との声も出ている。
(ロイター 森佳子記者)