16日の日経平均は大幅に反発。
521.06円高の25906.93円(出来高概算14億0749万株)で取引を終えた。
13日の米国市場では予想を下回る経済指標の発表が相次いでいたが、新型コロナウイルスを抑えるワクチン開発の進展による来年以降の経済回復への期待から景気敏感株への買いが強まっており、この流れを引き継ぐ格好となった。
また7-9月GDPが予想を上回ったことも材料視された。
先物市場ではシカゴ先物を上回って始まると、日中は強含みの展開が継続。
グローベックスの米株先物ではNYダウが300ドル近く上昇するなか、日経平均は後場半ばに25928.18円まで上げ幅を広げている。
その後は利益確定の動きもあったが、高値圏での推移が続き、年初来高値を更新している。
東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1700を超えており、全体の7割を占めている。
セクターではその他製品が小幅に下落した他は32業種が上昇しており、海運の上昇率が5%を超えたほか、空運、不動産、保険、金属製品、鉄鋼、輸送用機器、ガラス土石、非鉄金属が上昇。
指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ (T:9983)、東エレク (T:8035)、ソフトバンクG (T:9984)、アドバンテスト (T:6857)、テルモ (T:4543)の5銘柄で日経平均を200円超押し上げている。
米国市場の上昇の流れを受けてギャップスタートとなり、寄り付きの段階で11月SQ値(25480.28円)を上放れており、センチメントを明るくさせている。
また、指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均を押し上げているが、全体としては7割を超える銘柄が上昇しており、特に景気敏感株の上昇が相場全体を押し上げる格好となった。
急ピッチの上昇に対する過熱感が警戒されやすいだろうが、ここ近年で売買されていない水準に上昇していることから戻り待ちの売り圧力への警戒感はない。
一方で、売り越し基調である海外勢においては、水準を大きく切り上げていることによって日本株の比率を引き上げる対応に迫られている。
また、これまでのグロース優位の相場展開から、米国においても景気敏感株への物色が強まってきており、国内市場においても同様の物色に向かうようだと、より上昇基調が強まりやすいだろう。
さらにリスク選好のなかで明確に物色対象がシフトするというよりも循環的な物色であり、バリューへの物色比率を高めつつもグロースへの資金流入が継続しよう。
短期的な過熱感から利食いも出やすいだろうが、足元の調整局面においては押し目買いの好機になりそうである。