[ソウル 14日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は14日、政策金利を1.25%から25ベーシスポイント(bp)引き上げ、1.50%とした。インフレが高進する中、次期総裁の正式就任を待たず、市場予想に反して利上げに動いた。政策金利は2019年8月以来の高水準となった。
ロイターのエコノミスト調査では25bpの利上げを予想していたのは29人中11人と少数だった。残りの18人は据え置きを予想していた。
中銀政策委員会の会長代理のJoo Sang-yong氏は会見で、インフレ対応を続けるため新総裁の正式指名を待つことはできなかったと説明し、物価上昇率は2月には3.1%と予想していたが、当面4%を超える可能性が高いとの見方を示した。
キョボ・セキュリティーズのアナリスト、Paik Yoon-min氏は「5月の追加利上げの可能性も高い」と述べ、政策金利は年末までに2%に達するとの見方を示した。
中銀は声明で、国内経済の成長率は2月の予想の3%を下回るとの見通しを示した。
一方、ロシアのウクライナ軍事侵攻によるコモディティー(商品)価格の高騰で、国内インフレ率は10年ぶり高水準で高止まりする見通し。
ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)も前日、予想よりも大幅な50ベーシスポイント(bp)の利上げを実施。アジア太平洋地域の他の中銀も政策の軸足を景気支援からインフレ対応に移しつつある。
アナリストは年末までに韓国の政策金利は2%に達すると予想している。
この日の利上げを予想していたメリッツ・セキュリティーズのアナリスト、Yoon Yeo-sam氏は「インフレは非常に強く、債券市場の状況を踏まえると総裁不在でも利上げは後になるよりも今が適切だ」と説明した。
次期総裁に指名された李昌ヨン(イ・チャンヨン)氏は、4月19日の議会公聴会後に4年の任期をスタートさせる。
最も流動性の高い韓国の3年債の利回りは今週、3.2%を超えて2012年以来の水準を付けた。米利上げ加速観測を受け、世界経済が高金利に耐えられるかと懸念が高まったことが背景にある。