18日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
- ■株式見通し:こう着感の強い相場展開のなかで、個人主体の中小型への物色が中心に
- ■ユーザベース、20/12上方修正 営業損失▲1.5億円←▲4.1億円
- ■前場の注目材料:三菱ロジスネクスト、物流MaaS実証、荷主・運送会社、情報共有
■こう着感の強い相場展開のなかで、個人主体の中小型への物色が中心に
18日の日本株市場は、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうだ。17日の米国市場ではNYダウが148ドル高だった。追加経済対策を巡り与野党が合意に近いと楽観的見方が強まったほか、モデルナの新型コロナワクチンの緊急使用に関し米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会の会合を控え勧告への期待から買いが先行。週次失業保険申請者数が予想外に前週から増加し3カ月ぶりの高水準となったため労働市場が再び悪化し始めたとの警戒感から上げ幅を縮小する場面がみられたが、追加財政支援への期待が支えとなった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比20円安の26750円。円相場は1ドル103円10銭台と円高に振れて推移している。
米国市場の強い動きは材料視されるがシカゴ先物の値動きは鈍く、市場参加者が限られるなか、こう着感の強い相場展開になりそうだ。米国では週末がSQとなるほか、モデルナのワクチン承認や追加経済対策の行方を見極めたいところであり、積極的な売買は手控えられそうである。もっとも、日経平均は12月SQ値を上回っての推移が続いており、下値の堅さは意識されやすく、売る仕掛け的な動きも限られよう。ただし、東京都の新規感染者数が連日で過去最多を更新している状況であり、昨日は800人を超えていた。瞬間的に先物市場では売りに反応をみせていたため、アルゴ発動には注視しておく必要がありそうだ。
物色の流れとしては方向感が掴みづらいなかにおいてグロース、バリューといった明確なシフトは見られないだろう。昨日はコア30に売買が集中していたが、幅広い物色は期待しづらく、本日もコア銘柄に向かいやすいとみられる。ただし、為替市場では一時1ドル102円台に入ってきており、円高が重石となりやすい。指数インパクトの大きい値がさハイテク株などが鈍い値動きとなるようだと模様眺めムードに向かわせる可能性がありそうだ。
一方でIPOラッシュとなるなか、これまでは好調が続いており、需給不安の少ないIPO銘柄には短期筋の値幅取り狙いの資金が向かいやすいだろう。また、政府主導によるテーマ株への物色についても循環物色が続いているため、個人投資家の需給状況は良好であろう。全般こう着感の強い相場展開のなかで、個人主体の中小型への物色が中心になりそうである。
■ユーザベース、20/12上方修正 営業損失▲1.5億円←▲4.1億円
ユーザベース<3966>は2020年12月期の業績予想の修正を発表。売上高は130億円から137億円、営業損失が4.1億円から1.5億円に赤字幅が減少。SPEEDAを中心としたB2B SaaSビジネスは順調に拡大。期初から新型コロナウイルス感染拡大に伴う外部環境の変化が生じても、十分な利益を確保出来るようコストコントロールを行ってきた。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(26806.67、+49.27)
・NYダウは上昇(30303.37、+148.83)
・ナスダック総合指数は上昇(12764.75、+106.56)
・SOX指数は上昇(2778.14、+4.72)
・VIX指数は低下(21.93、-0.57)
・原油先物は上昇(48.54、+0.54)
・日銀のETF購入
・米経済対策への期待
・コロナ向けワクチン開発の進展
・三菱ロジスネクスト<7105>物流MaaS実証、荷主・運送会社、情報共有
・JDI<6740>鳥取工場増強、後工程の生産能力3割増
・双葉電子<6986>ソフトバンクと産業向けドローン共同開発
・三井物産<8031>動画メディア社に出資、ECなど直販本格化
・トヨタ<7203>トヨタと大同特殊鋼など、次世代磁石部材を開発
・ホンダ<7267>現法に技研所員出向、印2輪生産体制刷新
・堀場製作所<6856>コネクテッド自動運転車開発、英に試験施設
・日本特殊陶業<5334>オゾンガスでウイルス不活化、発生装置を実証
・津田駒工業<6217>完全自動化ライン構築、作業者5分の1に削減
・帝国電機<6333>定量ポンプ試験設備増設、能力1.8倍
・富士フイルム<4901>標準物質開発、次世代の微量元素分析法向け
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・日銀金融政策決定会合(最終日)
・08:30 11月全国消費者物価指数(生鮮品除く)(前年比予想:-0.9%、10月:-0.7%)
<海外>
・特になし