[上海/シンガポール 25日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は25日、銀行の外貨預金準備率の引き下げを発表した。人民元の下落に歯止めを掛けるための措置とみられる。
5月15日から外貨預金準備率を100ベーシスポイント(bp)引き下げ8%とする。人民銀行は「金融機関が外貨資金を利用する能力を改善する」ための措置と説明した。
人民銀行は2021年12月、元上昇の抑制に向け外貨預金準備率を200bp引き上げていた。
上海などの主要都市のロックダウン(都市封鎖)を受けた経済見通しの悪化、米との金利差縮小で、元は先週、2015年以来の大幅下落を記録、25日も1年ぶりの安値の1ドル=6.5544元で通常取引を終えていた。
三菱UFJ銀行の金融市場チーフアナリスト、Marco Sun氏は、元が最近の急激な下落で中国の経済ファンダメンタルズから切り離された状態となり、当局が一段の下げに歯止めを掛ける措置を打ち出したと指摘した。人民銀の措置を受け、元は対ドルで6.35─6.55元のレンジで推移すると予想するものの、5月に予想される米利上げが元の回復を限定的なものにする可能性があると指摘した。