[フランクフルト 20日 ロイター] - ドイツ連邦銀行(中央銀行)は20日に発表した月例経済報告で、2023年第1・四半期の国内総生産(GDP)が2四半期連続でマイナス成長になるとの見通しを示した。全般的な物価上昇率が近く急速に鈍化すると見込んでいるものの、基調的なインフレは根強い可能性があるとも指摘した。
欧州最大の経済国のドイツは22年第4・四半期のGDPが前期比0.4%減だった。広範な産業部門は回復を始めたばかりで、高インフレは消費の重しとなっている。
ドイツ連銀は「ドイツの経済活動はおそらく今期(23年第1・四半期)もマイナスとなる」と予想した上で、「ただ、減少率は22年第4・四半期よりも小さくなりそうだ」とした。
景気後退(2四半期連続のマイナス成長)に陥る可能性が依然最も高いが、労働市場は耐久性があることを示しており、ドイツ連銀は良い雇用情勢が続くと予想していると言及した。
エネルギー価格が前年より下がったのを背景に、ドイツの3月の全般的なインフレ率は低下する可能性が高い。
ドイツ連銀は「とはいえ、(インフレ率の)コア指数は非常に高止まりしていることを示している」とし、「年央にかけてわずかに上昇する可能性すらある」と指摘した。
ユーロ圏の全般のインフレ率が下がった一方で、変動が大きい食品と燃料価格を除いたコア指数の上昇率は徐々に拡大している。過去1年のエネルギー価格高騰が、他の価格や賃金に浸透しつつあるのを示している。