[ブダペスト 14日 ロイター] - 欧州復興開発銀行(EBRD)のチーフエコノミストであるベアタ・ヤボルシク氏はロイターとのインタビューで、中欧諸国の中央銀行が近い将来利下げを行うとの市場観測は「楽観的だ」と述べた。
2021年に世界的な金融引き締めの先陣を切った中欧諸国は、近隣のウクライナの戦争の影響で景気が低迷する中、金利政策の安定を図るとみられる。
インフレ軟化が見込まれるるハンガリーとチェコの中銀は今年、欧州で最初に利下げに動く可能性が高い。
エコノミストはチェコの利下げは下期になると予想。ロイター調査によると、ハンガリーの利下げ開始は第2・四半期か第3・四半期になると見込まれている。
ハンガリーはテクニカルリセッション(景気後退)に陥っており、中銀は政府による利下げ圧力を受けている。
ヤボルシク氏は「これらの過去の経験(最近の2回のディスインフレ)と比較すると、国際通貨基金(IMF)は非常に急速なディスインフレを予測している。われわれはこの予測が楽観的であると考えている」と述べた。
「このことは、中銀が間もなく利下げを開始するという見方もかなり楽観的であることを示唆している」と説明した。
IMFは1月に新興市場および途上国のインフレ率が23年に8.1%、24年に5.5%に鈍化するとの見通しを示した。ただ、新型コロナウイルス禍前の平均値である4.9%は引き続き上回る見通し。
ヤボルシク氏は先週のシリコンバレー銀行(SVB)の破綻を受けて週明けに各国市場は動揺したが、08年のような世界的な金融危機が再発することはないとの見方を示した。