[東京 30日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は反落。朝方は、米株高を受けて配当落ち分の約236円を埋め切ってプラスになる場面があったが、外為市場でドル安/円高が進んだことを嫌気して輸出関連株を中心に売り優勢に転じ、全体的に伸び悩む動きとなった。ただ、押し目を買う意欲が強く、引けにかけて戻り歩調となり、理論値との比較で実質的に小幅高の水準で大引けた。
29日の米国株式市場はダウ工業株30種とS&P総合500種が4営業日続伸。ロシアとウクライナの停戦交渉で紛争解決に向け進展しているという期待が追い風となったほか、原油価格の下落も好感された。
ロシアは29日、ウクライナの首都キエフと北部チェルニヒウ近郊における軍事活動を大幅に縮小すると発表。ウクライナは、安全保障と引き換えに中立化を提示したことを明らかにした。
日本株はこれを受けて堅調な動き。日経平均は一時プラスとなるなど配当権利落ち分の約236円を即日埋めた格好となり、朝方は米株高を受けて実質的に好調な相場展開となった。「VIX指数も低下し、投資家心理はかなり和らいだ」(野村証券・投資情報部ストラテジストの神谷和男氏)という。
しかし、中盤から外為市場でドル/円が円高に振れたことを受け、輸出関連株を中心に売り優勢の展開となった。ただ、後半は戻り歩調となり「引けにかけてはリバランスの動きがあった様子。立ち会い時間中も、配当権利取りの確定に伴う利益確定売りが吸収される格好だ」(国内証券)との声も聞かれる。
TOPIXは1.21%安。東証1部の売買代金は、3兆4315億0900万円、東証33業種では空運業、ゴム製品を除いた31業種が値下がりした。個別では、日本郵船など海運株や任天堂が軟調。トヨタ自動車などの主力の輸出関連株にさえない銘柄が多いが、ソフトバンクグループが堅調だった。
東証1部の騰落数は、値上がり715銘柄に対し、値下がりが1399銘柄、変わらずが55銘柄だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 28027.25 -225.17 28250.80 27736.27
─28281.45
TOPIX 1967.60 -24.06 1980.01 1949.87
─1982.59
東証出来高(万株) 140442 東証売買代金(億円) 34315.09