2日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。
米国内での新型コロナウイルス感染が深刻化し、景気後退を見込んだドル売りに振れやすい。
半面、リスク資産の整理で株価がさらに落ち込めば、安全通貨のドルに買いが集まりそうだ。
主要国の中銀が先月に繰り出した緩和的な金融政策で、市場の混乱はいったん収束したかに見えたが、新型ウイルスの影響が再び強まりそうだ。
米国では感染による死者数が4000人を突破。
特に3月28日からの3日間でそれまでの2倍に膨れ上がり、被害拡大のペースが急激に高まっている。
今後は死者数が10万人超にのぼるとみられ、先行きが懸念される。
4月1日は株安を背景に連邦準備制度理事会(FRB)のドル資金供給措置でドルは下落基調が続いたが、本日アジア市場のドル・円は107円台で底堅い値動きが目立った。
この後の海外市場でもウイルスの感染者数や死者数を注視する展開となりそうだ。
また、前日に引き続き雇用関連指標が注視される。
1日に発表されたADP雇用統計で民間部門雇用者数は想定ほどの悪化は示されなかったものの、今晩の失業保険申請件数は急増した前回をさらに上回る見通し。
明日の雇用統計の大幅悪化に思惑が広がれば、景気後退(リセッション)入りへの警戒から、リスク資産を整理する動きが加速しよう。
FRBの措置でドルの極端な上昇は抑制されるが、市場の混迷が深まれば買い需要の増大でドルは下げづらいとみる。
【今日の欧米市場の予定】・18:00 ユーロ圏・2月生産者物価指数(前年比予想:-0.8%、1月:-0.5%)・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:350.0万件、前回:328.3万件)・21:30 米・2月貿易収支(予想:-400億ドル、1月:-453億ドル)・21:30 カナダ・2月貿易収支(予想:-23億加ドル、1月:-14.7億加ドル)・23:00 米・2月製造業受注(前月比予想:+0.2%、1月:-0.5%)・23:00 米・2月耐久財受注改定値(前月比予想:+1.2%、速報値:+1.2%)