[上海 29日 ロイター] - 年次の世界人工知能(AI)大会(WAIC)が29日に上海で開幕し、オープニングイベントの一環として米電気自動車(EV)メーカーであるテスラ (O:TSLA)のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)と中国電子商取引大手アリババ (N:BABA)創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が対談した。
ライブ配信された対談で両氏は火星やAIについて話し合ったが、米中貿易戦争の話題は避けた。一部の聴衆からはがっかりしたとの声が聞かれた。
両氏がそろって公の場に姿を見せるのは初めて。対談の予定が発表された際には、米中貿易摩擦、テスラが上海に建設している工場、ジャック・マー氏の迫り来るアリババからの引退といったトピックについて話し合うのではないかとの憶測が出ていた。
しかし、両氏はこうした話題には触れず、30分強にわたってAIを中心とするテクノロジーが将来をいかに形づくるかについて対談。マー氏はマスク氏に対し「私は常にあなたのテクノロジーに対するビジョンに舌を巻いている」と持ち上げた。
その後、AIがいかに脅威ではないかを巡って対談は進み、マー氏はAIが人類に及ぼす影響について自らは「楽観的だ」とした。
また、両氏は宇宙旅行についても触れ、マー氏は宇宙ベンチャーであるスペースXを通じたマスク氏の火星旅行への取り組みを称賛。マスク氏はその分野における中国の発展に言及した。
一方、聴衆からは対談内容への不満も。テクノロジー企業に勤務するサイモン・チャン氏はロイター対し、「対談内容は思っていたほど面白くなかった。彼らは自身の個別のトピックについてそれぞれ話すだけだった」と語った。