[9日 ロイター] - 米フェイスブック (O:FB)がユーザーの個人情報を無断で英コンサルティング会社ケンブリッジ・アナリティカなどの外部企業に利用させていた問題を巡る集団訴訟で、サンフランシスコの連邦地方裁判所は9日、訴訟を無効とするよう求めたフェイスブックの申し立てを大半のケースで退けた。
連邦地裁のビンス・チャブリア判事は、集団訴訟の一部を無効とした一方、その多くについては、ユーザーの合意なしに個人情報をアプリ開発業者や提携先の会社に利用させたフェイスブックの責任を、ユーザーは連邦法および州法の下で追及できると主張した。
フェイスブックは、ユーザーが「具体的な」損失を全く被っていない上、ソーシャルメディア上で友人と共有する情報について機密保持を求める正当な権利はないと主張していた。
だが同判事はこれを否定。「訴訟の無効を求めたフェイスブックの申し立ては、ソーシャルメディアのユーザーが分別をわきまえた上で、各自の個人情報と通信記録の機密が保持されると期待することができる度合いについて、思い込みが散見される」と指摘した上、「フェイスブックの見解は大きく間違っている」と強調した。
フェイスブックと同社の弁護士は取材に応じていない。
原告側の弁護士は声明で、連邦地裁の判断は喜ばしく、「特に個人情報の機密を保持するユーザーの権利を裁判所が尊重したことに満足している」と表明した。