[22日 ロイター] - 共用オフィス「ウィーワーク」運営の米ウィーカンパニーの取締役会がソフトバンクグループ (T:9984)が提示した支援策を受け入れたと、関係筋が明らかにした。これによって、ソフトバンクグループはウィーカンパニーの経営権を取得する。
ウィー創業者のアダム・ニューマン会長への支払いも含めると、同社は総額100億ドル超を投じることになる。
ウィーは9月に新規株式公開(IPO)計画を撤回し、過去5週間で企業価値約390億ドルを消失していた。
関係筋によると、ソフトバンクは債務の形でウィーに50億ドルを支援する。JPモルガン・チェース (N:JPM)も21日に50億ドルの支援策を提示していたが、ウィーはソフトバンクの提案を受け入れたという。
関係筋によると、ソフトバンクは来年4月に期限を迎えるワラント(新株引受権)の形で15億ドル出資する従来の計画も加速させる。
さらに、既存株主や従業員から最大30億ドルのウィーワーク株を買い付ける。関係筋の1人によると、ニューマン会長が売却できる株式は9億7000万ドル相当が上限となる。同氏は現在、ウィー株の5分の1強を保有しており、売却後も一定の株式を保持する見通しという。
関係筋の1人によると、株式買い付けの結果次第で、ソフトバンクはウィー株の60─80%を取得する可能性があるが、帳簿の連結は避けたい意向という。
ソフトバンクと傘下投資ファンドのビジョン・ファンドはこれまでにウィーに約106億ドルを出資しており、株式の約3分の1を保有している。
ウィーの従業員は今後、大規模なリストラに直面するが、関係筋によると、ニューマン氏は取締役を退く代わりに融資や顧問料として総額6億8500万ドルを受け取ることでソフトバンクと合意した。
ウィーの評価額落ち込みを受け、ニューマン氏はウィー株を担保とした個人の借り入れで追加証拠金の差し入れを求められている。関係筋の1人によると、ソフトバンクはニューマン氏がJPモルガンから供与されている信用枠向けに5億ドルを融資するとともに、ウィーのコンサルタントを4年間務める契約料として1億8500万ドルを支払うことに同意した。
別の関係筋によると、ニューマン氏はJPモルガンの信用枠のうち3億9500万ドルを利用している。ソフトバンクとの合意では、同氏はウィー株売却益を融資返済に優先的に充てることが義務付けられる。
関係筋の1人によると、ニューマン氏は取締役を退くものの、依然として取締役会に2人を送り込むことができるという。
関係筋によると、後任の会長にはソフトバンクのマルセロ・クラウレ最高執行責任者(COO)が就く見通し。
ウィーは現時点でコメントの要請に応じていない。ソフトバンクとニューマン氏の広報担当者はコメントを控えた。
*内容を追加しました。