[ソウル 24日 ロイター] - 韓国の半導体大手SKハイニックス (KS:000660)が24日発表した第3・四半期決算は、営業利益が前年同期比93%減の4730億ウォン(4億0468万ドル)と、過去3年間の最低水準に落ち込んだ。
スマートフォン向けメモリーチップの価格下落が響いた。リフィニティブ・スマートエスティメートがまとめた営業利益の予想平均は4180億ウォンだった。
一部のアナリストは、データセンターが在庫一掃後にサーバー用DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)の購入を増やすため、メモリーチップ産業は年内に回復し始める可能性があるとみている。
SKハイニックスは、来年は第5世代移動通信システム(5G)対応スマホの販売急増が見込まれるとし、世界のメモリー市場は低迷から脱却できるとの見方を示した。
車辰錫(チャ・ジンソク)副社長は決算発表後のアナリストとの電話会議で「価格を巡る好ましい状況は当面続くとみている」と述べた。
DRAMマーケティングを率いるショーン・キム氏は、特に中国市場について、補助金のほか集積チップを組み込んだ中低価格帯の5Gスマホの生産により押し上げられると指摘。「われわれは(5Gスマホが)来年、今年と比べ大きく成長すると予想している。販売台数は、今年の数千万台程度から大幅に伸び、来年は2億台を超える可能性がある」とした。
一方、メモリーチップ需要や国際貿易の緊張を巡る不透明感を理由に、2020年は投資額を「かなり」削減すると慎重な姿勢も示した。
需要見通しに関する半導体各社の見方は割れている。台湾のTSMC (TW:2330)は、堅調な5Gスマホ販売を背景に2019年と20年について過去最高の投資計画を発表。米テキサス・インスツルメンツ(TI) (O:TXN)は米中貿易戦争を理由に控えめな売上高見通しを示した。
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