[30日 ロイター] - 交流サイト最大手の米フェイスブック (O:FB)が30日に発表した第3・四半期決算は、売上高と利益がアナリスト予想を上回った。広告が安定的に伸びた。株価は引け後の時間外取引で約4%上昇し、196.50ドルを記録した。
純利益は60億9000万ドル(1株当たり2.12ドル)で、前年同期の51億4000万ドル(同1.76ドル)から増加。リフィニティブのアナリスト予想である54億7000万ドル(同1.91ドル)を上回った。
総売上高は29%増の176億5000万ドルで、予想の173億7000万ドルを上回った。
広告収入は28%増の173億8000万ドルだった。
フェイスブック、メッセンジャー、インスタグラム、ワッツアップを含めた月間アクティブユーザー数(MAU)は28億人、1日当たりのアクティブユーザー数(DAU)は22億人と、前四半期から多少増加した。フェイスブック単体のDAUは16億2000万人。市場予想は16億1000万人。MAUは24億5000万人で、予想と一致した。
ここ数四半期、欧州と米国でユーザーが伸び悩んでいたが、1日当たりのユーザー数は前四半期から4地域全てで増加した。全地域での増加は今年に入り初めて。
一方、経費は104億7000万と約32%増えた。営業利益率は前年同期の42%から41%に低下した。
2019年通年の経費は460億─480億ドルを見込んでおり、予想レンジ上限で比較した場合、前年から55%の増加になる見通し。20年の経費は540億─590億ドルと予想。19年の予想レンジ上限比で23%増を見込んでいる。
第4・四半期の売上高の伸びは20─25%近辺に鈍化するとの見通しを示した。
eマーケッターの主任アナリスト、デボラ・エイホ氏は「同社は多くの点で物議を醸しているが、広告主は引き続き同社を支えている。課題が山積しているとはいえ、売上高やユーザー数の増加は評価できる」と述べた。
同社は7月、個人情報保護の不備を巡り連邦取引委員会(FTC)に50億ドルの制裁金を支払うことやユーザーデータの保護を強化することで合意した。[nL4N24P3ZF]
上期の予想を上回る売上高を背景に、株価は30日終値時点で年初から約43.6%上昇。2018年6月には終値最高値(194.32ドル)を記録した。
米国では、大手IT(情報技術)企業を対象とした規制強化や企業分割論が浮上し、2020年大統領選の民主党候補者の間で争点のひとつとなっている。
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は決算発表後のカンファレンスコールで、政治広告の扱いを巡り自社方針の正当性を主張した。ツイッターはこの日、政治広告の掲載を禁止すると発表。一方、ザッカーバーグ氏は、政治家の声や意見を抑えることは望んでいないと説明した。
同氏はこれまで、政治広告の内容について事実確認をしない方針を示している。
フェイスブックは28日、一部の社員が政治広告に関する方針への懸念をザッカーバーグ氏に社内メモで伝えていたことを認めた。
同氏は、政治広告収入が来年の売上高に占める割合は0.5%未満になるとの見通しを示した。「非常に厳しい年になる見通しだ」と述べ、政治的なコンテンツに関する議論が何らかの調査につながる可能性があると語った。
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