[上海 31日 ロイター] - 米アップル (O:AAPL)の第4・四半期(7─9月)は、最新機種「iPhone11」の発売時期などの幸運が重なり、中国市場における一段の減収は食い止められたが、アナリストはこうした幸運は長続きしない可能性があると警告している。
アップルが30日発表した7─9月決算は、売上高は640億4000万ドルで、1株利益は3.03ドル。リフィニティブのアナリスト予想である629億9000万ドルと2.84ドルをそれぞれ上回った。
地域別では、中華圏の売上高が2.4%減の111億3000万ドルと、減収率は4─6月期の27%減から大きく縮小した。アナリストは、この背景には価格を抑えたiPhone11の投入などのさまざまな要因があったと指摘。カウンターポイント・リサーチのジェームズ・ヤン氏は「アップルが中国で進めている低価格戦略の影響は極めて大きい」と述べた。
ただ、アップルが次世代モバイル通信規格「5G」対応機種を投入するのは来年。中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]が6月に5G対応機種をすでに発売していることを踏まえ、アナリストの間で懸念が出ている。
7─9月期は、中国当局がこれまで禁止していたゲームの解禁を継続したことでアプリ配信サービス「アップストア」のゲームのダウンロード数が増加し、アップルが成長の柱の1つとして位置付けているサービス収入が2桁台の伸びを示した。
中国のスマホ市場に詳しいカナリスのニコール・ペン氏は、サービス収入の増加は中国のユーザーの間で有料のオンラインコンテンツの利用が一段と広まっていることを示していると指摘。新機種の買い替え時に古い機種の下取りを行うトレードインサービスをアップルが中国でアピールしていることにも言及し、再販業者の取り組みにより他社端末への乗り換えが防がれる中で「アップルがトレードインサービスの利用を勧める機は熟していた」と述べた。 2019-10-31T173810Z_1_LYNXMPEF9U1K2_RTROPTP_1_APPLE-IPHONE-CHINA.JPG