[ワシントン 5日 ロイター] - 米議会上院司法委員会の小委員会で5日、若者の間で人気が高い中国の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の個人情報取り扱いを巡る公聴会が開かれた。ティックトック側は、公聴会を主宰した共和党のジョシュ・ホーリー議員に対して書簡を送り、中国政府から独立した立場にあると強調したが、ホーリー氏は納得しなかった。
ホーリー氏はティックトックが米国民の個人情報を適切に扱っていない恐れがあり、国家安全保障上の脅威になっていると指摘。ティックトックの幹部に対して、公聴会に出席して宣誓した上で証言するよう求めていた。
結局ティックトックの幹部は姿を現さなかった一方、ティックトックの米国ゼネラルマネジャーが署名した4日付の書簡で、米国のユーザーのデータは米国内に保管されており、コンテンツの無害化や透明性の問題では、第三者で構成する委員会に助言を受ける計画もあると説明している。
これに対してホーリー氏は「ティックトックが米国ユーザーのデータを中国に保管していないと主張している点は良いことだ。しかし中国政府がこれらのデータを自分たちの手に移そうとするには、共産党幹部が中国にあるティックトックの運営会社にちょっと立ち寄れば済む話だ」と述べ、不信感をあらわにした。
ティックトックについては、外国企業による米国への投資や企業買収を審査・規制する対米外国投資委員会(CFIUS)も審査を開始している。