[3日 ロイター] - 米アルファベット (O:GOOGL)の最高経営責任者(CEO)に就任するスンダー・ピチャイ氏は、世界中の規制当局が同社を調査対象とし、米国の政治家が同社の分割を主張し、トランプ米大統領が自身の政敵を同社が支援したなどと非難するなか、あらゆる逆風を一身に引き受けることになる。
アルファベットは3日、ラリー・ペイジCEOが退任し、傘下グーグルのピチャイCEOが後任に就任すると発表した。ペイジ氏とともにグーグルの共同創業者であるセルゲイ・ブリン氏もアルファベットのプレジデントを退任する。[nL4N28D4EN]
近年、公の場にあまり姿を見せていなかったペイジ氏は、2018年9月に行われた上院情報委員会の公聴会も欠席した。公聴会ではツイッター (N:TWTR)やフェイスブック (O:FB)のトップらの横に誰も座ってない椅子が置かれ、グーグルの幹部らは後々、欠席したことは失策だったと認めている。
およそ2年前にエリック・シュミット氏がアルファベットの会長職から退任して以降、同社は米政府とのパイプ役を失ったままとなっている。
トランプ大統領は度々、グーグルをはじめとする米IT(情報技術)大手をやり玉にあげている。8月にはツイッターで、グーグルが2016年の大統領選挙で自身に不利となる話を拡散するために「違法行為」を行ったと非難した上で、同社の動向を注視していると述べた。[nL4N2523OQ]
ピチャイ氏自身は今年3月と7月にトランプ大統領と会談している。3月の会談後にトランプ氏は「会談はとてもうまくいった!」とツイッターに投稿した。
しかし8月には、ホワイトハウスを訪れたピチャイ氏が「どれほど私のことを好きか、政権がどれほど偉大な仕事をしているか、そしてグーグルが中国軍と関わりがないことや、2016年の大統領選挙でヒラリーを支援しなかったことを一生懸命説明した」と投稿した。
ホワイトハウスの報道官は、ピチャイ氏のアルファベットCEO就任についてコメントを差し控えた。
ピチャイ氏はこれまでに何度かグーグルに批判的な共和党の議員らとも会談し、質問に答えているほか、議会の委員会での証言にも応じている。
グーグルは現在、反トラスト法(独占禁止法)違反の可能性があるとして米司法省やほぼすべての州の司法当局の調査を受けている。議会下院の司法委員会もGAFA(グーグル、アップル (O:AAPL)、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム (O:AMZN))を対象に反トラスト法調査に乗り出している。
また、ロイターは前週、 欧州連合(EU)の規制当局がグーグルのデータ収集に関する予備調査を行っていると報じた。欧州規制当局はここ数年、競争法違反でグーグルに巨額の制裁金支払いを命じているが、引き続き監視を強めているとみられる。[nL4N28B0QB]
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