[ベルリン 4日 ロイター] - ドイツテレコム (DE:DTEGn)は4日、第5世代移動通信システム(5G)向けの機器購入契約をすべて保留にしたと明らかにした。中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]を国内5G網から排除するかどうかを巡り独政府が結論を出すのを待つ構えだ。
メルケル首相率いる連立政権内ではファーウェイ排除を主張する声が幹部から出ている。ファーウェイはドイツや欧州の既存通信網に主要な機器を供給している。
一方、米国では、ドイツテレコム傘下の携帯電話大手TモバイルUS (O:TMUS)と同業スプリント (N:S)の合併計画に反対する訴訟が10数件起こされており、不透明感が出ている。
米政府は5月に安全保障上の理由で、ファーウェイに対する事実上の禁輸措置を発動し、同盟国に同様の措置を講じるよう求めてきた。
ファーウェイは同社が中国政府の影響下にあるとの米国の主張を否定してきたが、ドイツテレコムがファーウェイと新規に契約する可能性を示せば、Tモバイルとスプリントの合併計画に悪影響が及ぶ恐れがある。
ドイツテレコムはロイターのコメントの求めに対し「不透明な政治状況を踏まえ、当社は現時点でいかなる供給業者とも5G契約を結ばない」方針だと表明。「業者にこれを伝えているところだ」と続けた。
1人の業界筋によると、ドイツテレコムの取締役クラウディア・ネマート氏は最近、ファーウェイの徐直軍(エリック・シュー)副会長と面会し、両社のビジネス上の関係について協議した。
ドイツテレコムは特定の会合についてコメントを控えるとともに、5G関連投資でファーウェイが占める割合に関する質問には「安全保障上の理由からドイツテレコムが複数の業者から供給を受けているというのは周知の事実だ」と応じた。
ファーウェイのベルリン在勤の広報担当者はコメントを控えた。
ドイツテレコムは、ドイツ国内の一部都市ですでに5Gのサービスを開始している。来年は20都市に拡大する計画だ。
「当社が後れを取ることがないよう、ドイツの5G構築を巡る政治的な状況が速やかに明確になることを期待している」とした。
*見出しを一部修正しました。