[深セン(中国) 5日 ロイター] - 中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]は5日、米連邦通信委員会(FCC)が同社を安全保障上の脅威に指定したことは不当だとして、ニューオーリンズの第5巡回区控訴裁判所に提訴したと発表した。
FCCは11月に、ファーウェイと中興通訊(ZTE) (SZ:000063)を安全保障上の脅威に指定することを全会一致で決定した。これにより、米国の地方通信業者は両社から機器を購入したり、サービスを受ける際に米政府補助金を使用できなくなる。
FCCはこのほか、現存する通信ネットワークから両社製の機器を取り除くことを義務付けるよう提案することも承認した。[nL3N2823F9]
FCCは、両社の中国政府や軍とのつながりが米国の安全保障上のリスクになると主張している。
ファーウェイの最高法務責任者(CLO)、宋柳平氏は深センにある本社で記者会見し、「中国でスタートしたからという理由だけでファーウェイのような企業を排除することは、サイバーセキュリティー上の問題解決にはならない」と述べた。また、FCCは同社が安全保障上の脅威であるという証拠を示していないとし、「5月のエンティティーリスト同様、この決定は安全保障ではなく政治的動機に基づいている」と主張した。
オバマ前政権でFCCの上級顧問を務めたジジ・ゾーン氏は、ファーウェイが勝訴する可能性は「極めて低い」との見方を示し、「FCCには公共の安全や国家安全保障を巡り非常に大きな裁量がある」と述べた。
FCCの決定の施行時期は分かっていない。FCCのブライン・ハート報道官はコメントを控えた。
米商務省は5月に、米政府の許可なく米企業から部品などを購入することを禁止する「エンティティーリスト」にファーウェイおよび関連68社を追加した。[nL4N22S503]
ファーウェイのコーポレートコミュニケーション部門バイスプレジデント、カール・ソン氏は、FCCの規則によって地方の通信インフラ向上が脅かされ、数億ドルのコストがかかるだけでなく、小規模通信業者の破綻にさえつながると指摘した。
また、ファーウェイのIP(知的財産)戦略・国際法務担当バイスプレジデント、アラン・ファン氏は、米地方通信業者などからFCCに90の意見が提出され、うち58%はFCCの措置に反対するものだったとした。
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